亜細亜の街角
■この地域の交通の要衝
Home 亜細亜の街角 | Siliguri / India / May 2005

シリグリ  (地域地図を開く)

カルカッタから鉄道でダージリンあるいはシッキムに行くとき,NJP(ニュー・ジャル・パイグリ)駅で下車することになる。ここからジープやバスは出ていないので,5kmほど離れたシルグリに行くことになる。

シリグリはこの地域の交通の要衝である。幹線道路沿いに大きなバススタンドがあり,通りの向こうにはダージリン行きのジープが並んでいる。安宿もその近くにある。町は大きいが,インドの他の町と変わらないし,とくに見るものもない。

ジャイガオン→シリグリ 移動

ジャイガオン(07:30)→シリグリ(10:30)と90kmをバス(60Rp)で移動する。朝食の前に宿(Hotel Kanchan Jungha)の前でチケット売りのおじさんからチケットを買う。立て看板を見るとここからコルカタやアッサム行きのバスも出ている。

バスの運営は政府系のNBST(North Bengal State Transport)である。座席はNo.1,運転手の横である。外を見るにはベストだが,事故の場合はもっとも危険である。

バスは定刻に出発した。運転手の横にはお香がたかれ,ヒンドゥーの神々の写真が飾られている。これはインド流の安全祈願である。もっとも,運転手の技量は確かなもので,大型バスをまるで普通車のように動かしている。

町を少し出ると周囲は茶園になる。よく整備されており,ところどころに木陰を提供する木が立っている。しばらくすると乾いた水田の風景に変わる。雨が降ったせいか緑は濃い。

牛がスキを引いている光景を何回か目にした。すでに田植えを終えたところもあり,そこだけは緑が美しい。茶園,水田,森と緑が豊かだ。インド人でもこのような環境に暮らしていたらのんびりした性格になるかもしれない。

踏切では遮断機が下りておりしばらく待たされることになった。インドでは列車が近づいてきたら自動的に遮断機が下りるわけではない。もうじき列車が通過するという連絡を受けてから番人が遮断機を下ろしているようだ。

ここの踏み切りは5分ほどの待ち時間で済んだが,長いときは10分以上の待たされたことがある。おかげで,通過する列車の写真を撮ることができたので,踏み切りは悪いことだけではない。


Hotel Keshori

シリグリはこの地域の交通の中心地である。周辺各地へのバスがここから出ている。バススタンドは市街地から1kmほど離れている。大きなバススタンドの周辺には,いろいろなバスやジープが停まっている。

客引きが行き先を大声で告げている。道路を挟んで向かいには,ダージリン行きのジープ乗り場がある。その左側には何軒かのホテルがある。

Hotel Keshori にチェックインする。部屋は10畳,Wベッドは3畳ほどもある,広いT/Sが付いているが照明が暗くて,何だか不気味だ。

日曜日なのにそろそろルピーが心細くなる。宿のスタッフに相談すると,となりのデリーホテルで両替ができた。レートは42.4と悪くないし,バンクレシートも出してくれた。

雨が降ったせいか夜は冷え込んだ。長袖のフリースとクツシタをはいて寝ても寒さで目が覚めた。それにもかかわらず,蚊に刺されたようで薬箱を出すことになり,完全に寝不足であった。宿の前の半露店で朝食をとると,予想より」6Rpも高い。インド人の客も値段を聞きなおしていた。

現在はマンゴーの季節であり毎日のようにいただいていた

宿の前の半露店食堂はとても高かった

地域交通の要衝のバススタンド

さすがにこの地方の交通の中心地である。バススタンドにはコルカタ,西ベンガル各地,アッサム各地へ向かう複数のバス会社のカウンターが並んでいる。バス乗り場や待合用のスペースもきちんと整備されている。

No.4のカウンターで次の目的地ドゥブリ行きが見つかる。発車時間は08:30と13:30,日に2本である。中には食堂,売店もあり,移動に必要なものはほとんど揃うようになっている。周辺にはあまりまともな食堂もないので,夕食はここでお世話になる。

大王ヤシの風景

バススタンドの裏手に鉄道駅がある。その間には小さな商店が並んでいる。商店の後ろにはちょっと珍しい大王ヤシが見える。名前の通り滑らかで立派な幹をもった大きなヤシである。この木は道路の両側に並木として植えられていると壮観である。

食堂でマーザ(マンゴー・ドリンク)を注文する。あまり冷えていないうえ,8Rpのところを10Rp請求される。ビンの表示を示して「8Rpと書いてあるよ」と告げると,帰ってきた返事は「それがどうした,ここでは10Rpなんだよ」であった。

あまりにぞんざいな返事に驚き,あきれる。まあ,これもインドの一部である。この町に限らず,インドではモノを買う前に値段を確認した方がよい。

鉄道駅

鉄道駅はプラットホームが4つあり,それをまたぐように連絡橋がある。橋の上から眺めていると,終端が見えないほど長い貨物列車が入線してきた。

インドではよく列車の長さに驚かされた。列車で移動するとき,プラットホームを200m以上歩かされたこともある。荷物を背負って車両番号を確認しながら歩くことになる。

駅から大通りに戻る途中で子どもたちの写真を撮る。3人の写真を撮り画像を見せてあげると,近くの友達を呼び集めてくる。全部で9人が集まり集合写真になる。

大きな子と小さな子を一緒に撮ると,どうもフレームがうまくいかない。大人が出てくる。グループの中の一人が彼の娘で一緒の写真を撮ってくれと言われた。2人が並ぶと子どもたちが周囲に集まり,結局集合写真になる。

幹線道路に出るまでに子どもたちにつかまる

町を二分する川では

バススタンドから幹線道路を街の方向に歩いてみる。大きな川があり,橋の上から見ると,川で洗濯や体を洗っている人たちがいる。川原に下りてみると,泥だらけの上,ひどい臭いが漂っている。

川の水は泥色で,日本の川でいうとちょっとましなどぶ川に近い。しかし,インドでは水はすべてを清めるものである。我々の物差しでは計れない何かがある。猪のようにたてがみをもった黒豚も川岸をうろついている。

橋の向こう側が町の中心部となっている

橋の向こうには信号のついた大きな交差点がある。シリグリにはリキシャーが多く,交差点の向こうにずらりと並んでいる。信号が変わると一斉に動き出す。ちょっと絵になる光景である。日曜日のため商店街はほとんど閉まっており,ここで引き返すことにする。

川の横の集落を散策する

橋を渡り,バススタンド側の川沿いの道を歩いてみる。このあたりはもう田舎の景色である。瓦屋根に土壁の家が並んでいる。リキシャーの上で遊んでいる子どもたちの写真を撮ると,近くの子どもたちが一斉に駆け寄ってくる。

ということで20人の集合写真を撮ることになる。画像を見せてあげると,指で液晶画面をつつこうとするので,さすがにそれは止めてもらった。

雲行きが怪しくなる,急いで戻ろうとすると線路の手前で本降りとなる。雨は本降りから土砂降りになり2時間ほど続いた。僕と何人かの地元の男性は民家の壁の無い小屋で雨宿りだ。

子どもたちは元気なもので,この土砂降りの雨の中で遊んでいる。雨宿りのメンバーのうちで一人は英語ができたので退屈はしなかった。雨が止んで宿に戻ろうとすると線路の下の道路は冠水している。線路沿いに歩きなんとか駅に着いたら虹が出ていた。

ヒンドゥーの儀式

駅の近くの建物から音楽が聞こえてくる。中をのぞいてみると,台上に女性が座りながら歌っている。床には何人かの男性が楽器を弾いている。周囲をたくさんの人々が取り巻いている。

男性が紅茶を配っており,僕にも一杯回ってきた。ヒンドゥーの儀式のようだが僕には何だか分からない。外に出ると儀式と関係があるのか数人のサドゥーがたむろしている。あわてて一枚撮らせてもらった。


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