亜細亜の街角
ベトナムから中国へ移動する
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バクハ(63km)→河口 移動

バクハ(06:00)→ラオカイ(08:30)→河口(10:00)とバスで移動する。05:30に起床,昨日頼んでおいたのに宿のおばさんは起こしてくれなかった。それどころか入口は施錠されており,宿のスタッフを起こして開けてもらわなければならない。6時少し前にバスが宿の前に到着する。

中に入ると左右の窓に定価表が貼ってある。ベトナムでは初めての経験だ。ラオカイ→バクハは28,000ドンである。定価表のおかげで車掌との料金交渉もなく,静かな心で風景を眺めることができた。といっても山の上は霧のためほとんど何も見えない。

標高200mの分岐点まで下ると,山間の平地は水田になっている。ちょうど田植えが終わったところで,水田は薄い緑になっている。一部には手動のトラクターで代掻きをしているところもあるが,作業の主役は水牛である。

ラオカイの町は小雨模様である。バスは何回か止まり,乗客は少しずつ減っていく。車掌に「中国に行く」と伝えておくと紅河沿いの道で降ろしてくれた。

300mほど歩くと左にベトナム側の入出国管理ビルが見える。出国の前に余ったドンを元に両替しなければならない。地元の人に聞いて,近くの路上でかばんを抱えているおばさんに両替してもらう。

これでのんびり国境の写真が撮れる。両国の国境となっている南渓河は幅100mほどの茶色の流れである。古い鉄橋は現在では列車専用になっており,橋の上に人影はない。対岸の河口には大きなビルが立ち並び,ベトナムとの経済格差を見せつけている。

国境の新しい橋に通じる道の両側には中国人観光客相手のホテルや旅行会社が軒を連ねている。漢字の看板も目に付く。国境に向かって歩くと,左に近代的なビルがある。これがベトナムの入出国管理ビルである。

出国する人と車はここで手続きをしなければならない。橋の手前にはベトナムの国境ゲートがあり,その向こうには中国河口と記された中国側ゲートがある。この橋を両国のトラックが行き交っている。

ラオカイから国境の橋を渡り河口に移動する
(地域地図を開く)

ベトナムのラオカイと中国の河口,この国境は外国人にも開かれている。1979年の中越紛争以来この国境は閉ざされていたが,1993年に再開された。

この地域は紅河と南渓河という2つの川が国境線となっている。北西からの紅河,北東からの南渓河に挟まれた三角形の先端部に河口があり,南渓河に架かる橋の向かい側がラオカイである。

中越紛争時に破壊された国境の橋は修復され,現在は列車専用の橋になっている。両国のイミグレーションの建物は南渓河の両岸に向かい合うように立っている。その間には新しい近代的な橋が架かっており,両国を行き来する人々,車両はすべて新しい橋を通るようになっている。

ラオカイの市街地は国境から紅河沿いに2kmほど離れた鉄道駅を中心に広がっている。国境の近くにはイミグレーションの巨大な建物と中国人観光客目当てのホテルや旅行会社が並んでいる。

ベトナム・ドンから中国元への両替はイミグレーション・ビル内で可能だが最小単位が100元である。100元未満に相当するドンが余った場合は,イミグレーションの近くの路上にいるかばんを抱えたおばんさんが両替してくれる。この両替おばさんは河口の路上でも見かけた。

ベトナムのイミグレーションは50人くらいの中国人の団体がいたためかなり手間取った。手続きそのものには何の問題もない。イミグレの建物を出て中国人の団体と一緒に広場を横切って橋に向かう。ここから中国のイミグレを出るまでは写真禁止なのは言うまでもない。

中国側では入国カードと健康問診表を記入させられる。「えっ,最近鶏に触ったことはないかだって」,市場を歩けばそこらじゅうに鶏はいたけれど,まあいいや触っていないと書いておこう。こんな感じの問診表である。

カスタムではX線検査があり,持っていた本を逐一調べられた。チベットのガイドブックでも持っていたらやっかいなことになったかもしれない。

河口の街はイミグレーションの建物のすぐ外から始まっている。狭い通りの両側に5階建ての建物が並び,国境貿易を生業とする商店が入っている。その北側はメインストリートの人民路となっており,銀行,ホテル,デパートが並んでいる。

イミグレの建物の外にはこれからベトナムに戻ろうとする人々が順番を待っている。どの人もかなりの量の荷物を自転車やリヤカーに積んでいる。彼らが国境貿易の担い手,「運び屋」のようだ。

バスの時間を確認する

河口(480km)→昆明の所用時間はおよそ12時間なので時間の節約のため,寝台バスで移動する計画であった。まず汽車站に行って時刻を確認してから銀行に行く。出発時間はおよそ19時,料金は112元である。これで一晩足を延ばして寝ていると翌朝には昆明に到着する。

河口の街を歩く

朝から何も食べていないのでとりあえず目に付いた食堂に入り,丼に入った3元の雑炊をいただく。ベトナムでは箸はリユース品であったが,中国では使い捨てである。

手元には90元ほどしかないので,中国銀行に行く。T/Cの両替をお願いしたところ45分ほど待たされ,2時まで決裁権限者がいないので両替できないとのことである。紅河沿いの通りにある汽車站に荷物を預け街を歩いてみる。

国境ゲートの手前のところに鉄柵があり,そこまでは近づくことができる。何人かの観光客が国境ゲートを背景にして写真を撮っている。中国側のサービスはありがたい。

古い鉄橋も近くまでアクセスすることができる。写真を撮っていたら中国側から列車がやってきて,思いがけなく橋の上を走る列車を撮ることができた。先頭の2両は緑色の機関車で,その後には無蓋の貨物列車が続いている。

河口の街は急速に発展している。中国,ベトナム両国の観光客が立ち寄るのか,ホテルや旅社が雨後のタケノコのように建設されている。

辺境貿易市場もあり,ベトナム産品に混じって中国製の日用雑貨が並んでいる。また,怪しげな健康食品も売られている。観光客用の市場なので値段は相応に高い。

紅河沿いの一帯は公園になっている。道路との境にはアブラヤシの並木になっており,ちょっとした景観である。観光客が電気自動車に乗って前の通りを走り抜けていく。コンクリートの手すりの向こうには紅河がゆったりと流れている。対岸はベトナムで川沿いの道路を除くと畑と丘があるだけだ。

2時過ぎに再び中国銀行に行く。すると30分後に来てくれと追い返される。2時半にもう一度行くと1時間ほど待たされ何の音沙汰もない。

これはとても両替にはならないと判断し,TCは回収し100$キャッシュを両替する。午前,午後を合わせると2時間ほどここで浪費してしまった。まあ,昆明行きのバスは19時時過ぎなので大した問題ではない。


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