Home 亜細亜の街角 | Maesai / Thailand / Mar 2003

メーサイ  (参照地図を開く)

タイ最北端の町メーサイは,巾20mほどのメーサイ川を挟んで,ミャンマーのタチレクと国境を接している。タイからミャンマーにビザ無しで1日入国できるポイントとして旅行者に知られている。国境付近にはミャンマーの民芸品や中国製品を扱うみやげ物屋が並ぶ。タイ人の観光客やタイ側で働いたり商売する人が多く,国境の橋を両国の人々が行きかう。


スコータイ→メーサイ移動

スコータイ(07:15)→チェンマイ(13:30)(17:15)→メーサイ(16:30)とバスで移動する。07時前にチェックアウトしようとドアを開けたところ管理人のおじさんと鉢合わせしてしまったので,おじさんにキーを渡しチェックアウトを告げる。

スコータイからメーサイへの直通バスは確認できなかったので,チェンマイで乗り換えることにする。メインザックを荷物室に入れ,乗務員にチケットを提示してバスに乗り込む。バスの中は例によって寒帯である。タイの立派なバスはほとんど,これでもかというばかりに冷房が効いている。バスに乗るときはサブザックに長袖を入れておくのが賢明である。

道路は片側2車線の立派なもので,中央分離帯は緑地になっている。フロントガラス越しに2本の線が少し蛇行しながらずっと続いている。道路の周囲はほとんど乾いた水田風景となっている。BTを出るときは半分ほどであった乗客はじきに満席になる。

約6時間でチェンマイに到着する。メーサイ行きをチェックして窓口に行く。チェンライ経由メーサイの通しのキップを買えないかとたずねると,女性事務員にバスの中で買ってくれと言われる。バスまで行くとどのように話がついているのか,「あなたの席は58だ」と告げられる。

メインザックを荷物室に入れ,出発は10分後であることを確認して,売店で肉まんとオレンジジュースを買ってくる。バスの中は温帯,半そででいられる。

前横の席の中年女性はリクライニングいっぱいに倒しており,後ろの席の子どもが気の毒な状態だ。僕の前の茶髪女性も席を倒そうとしたので,後ろからドンドンとたたいたら元に戻った。乗客の大半はチェンライで降り,代わりに新たな客が乗り込んでくる。

メーサイのバスターミナルは街から3kmほど離れている。バスから降りたらすぐ地元の人と一緒にソンテオに乗るのがよい。僕は出遅れたため,ソンテオが行ってしまい,40Bのバイクタクシーのお世話になる。

Northern GH

メーサイの宿情報はもっていなかったので唯一知っていた Northern GH に行ってみた。ずいぶん古いゲストハウスで庭とテラスは感じがよい。120Bの客室は6畳,2ベッド,T/S付きで値段相応のものであった。しかし,もう暗くなっており選択の余地はなかった。

翌日の午後に日本人が経営する「バンブー・ハウス」がみつかり,3日目はそこに泊まることになった。2階の部屋(200B)は8畳,2ベッド,T/S付きで清潔である。1階はカフェになっており食事もできる。2006年にメーサイを再訪したとき,すでに経営者は変わっていた。

国境の川

メーサイ川はここから黄金の三角地帯までタイ・ミャンマーの国境になっている。川幅は狭いし水深もそれほどではないので,その気になれば徒歩で渡ることもできる。タイ人とミャンマー人は通行料を支払えばこの橋を自由に行き来できる。二つの町は経済的に強く結びついており,タチレクは完全にバーツ経済圏に組み込まれている。

ミャンマー側の内戦のとばっちりを受けて,国境はよく閉鎖される。メーサイからタチレクに1日入国しようとする人は,国境の状態をチェックしておく必要がある。

メーサイ川にかかる橋のタイ側には立派なイミグレーション・ゲートがあり,第三国人でも入国手続きはできる。しかし,なぜか出国手続きは1kmほど離れたところにある管理事務所で行わなければならない。

南に向かうソンテオに乗り,1kmほど離れたタイ国旗が描かれた歩道橋のところで下車する。ここがタイ側の正式のイミグレーションである。ここで出国スタンプを押してもらい,再び国境の橋にに戻る。

影が薄くなったタイ最北端の碑を右に見て9年ぶりに橋を渡る。ミャンマー側のイミグレで入国料5$を支払い,パスポートを預け,引き換え証をもらう。これでゲートが閉まるまでタチレクに滞在できる。

国境の向こう側は

タイの観光客をターゲットにした土産物屋が橋の下を中心に大きな面積を占めている。国境でのビジネスチャンスを求めて各地から人が集まってくる。中国製の安価な日用品とミャンマー特産の翡翠や宝石の店が多い。

橋の北側に大きな交差点がある。9年前,この場所から望遠で町中の被写体を探していたら,賭場の男たちがやってきて,フィルムを出すように要求された。

「あんたたちの写真は撮っていない」と何度説明しても,「フィルムを渡せ」の一点張りである。身の危険を感じ,フィルムを渡してしまった。そのため,タチレクの写真は残っていない。現在のようにデジタルカメラなら画像を見せて,納得してもらうことができたであろう。

地元の人たちの利用する市場

生鮮食品を扱う市場ではミャンマー人独特のタナカの粉で化粧をした庶民に出会える。タナカとはみかん科の木をすった粉を水で溶いたもので日焼け止めの効果があるといわれている。

顔全体に塗る人はまれで,ほほのあたりに丸く塗る人が多い。子どもの場合は親がいろいろな模様を描くことがあり,かっこうの写真の題材になる。

市場周辺の人々

サングラスの子どもたち

昔を懐かしみながら川沿の道を歩いてみる

昔を懐かしみながら川沿いに左に行く道を歩いてみる。ピックアップが走り,迷惑な土埃を巻き上げていく。少し行くと「この先外国人進入禁止」のゲートができていた。

9年前は車の往来などはほとんどなく,川沿いののどかな散歩道であった。現在のゲートの先には川沿いの斜面に少数民族の集落があるのでとても残念に思う。

ピックアップトラックが通る

タイ最北端の碑

南国の花

朝の散歩

今朝も4時過ぎにオンドリの声がうるさい。朝食前にメーサイ川に沿って西の方を散歩する。道ばたに大きな犬が多い。つながれていないのでちょっとドキドキものである。

じきにメーサイGHに到着し,道はここで途切れている。このゲストハウスは広い公園のようになっており,ブーゲンビリアがピンク色の巨大な塊になっている。敷地内にはコテージが並んでおり,泊まるにはとても環境のよいところだ。

交差点の南側には大きな寺院がある。白い服をまとった尼僧が歩いてくる。しかし,寺院はまだ開いてはいなかった。大きな寝釈迦仏がある。これは金泥が鮮やか過ぎて興ざめである。

僕の視線は寺院の基壇を囲むように一列に置かれている小さな仏像たちに吸い寄せられた。ちょっととぼけた表情がとてもいい。金色の仏像ばかりを見せられているので,このように漆くいが黒ずんだ仏像が新鮮に感じる。

七面鳥に威嚇される

お寺の外には大きなオスの七面鳥が歩き回っている。近くを通り過ぎようとすると,彼は自分の縄張りの侵入者だと思ったのか,羽をふくらませ,威嚇しながらこちらに駆けてくる。なかなかの迫力に押され,その場を離れる。

バスターミナル周辺を歩く

ソンテオに乗ってメーサイのバスターミナルに行く。到着時はバイクタクシーに40B払ったのに,ソンテオなら5Bである。1軒の家からタイ音楽が聞こえてくるので覗いてみる。子どもたちが伝統的な踊りを習っている。

タイの伝統舞踊は王宮に伝わるものがまずあげられるが,いくつかの地方にも独自のものがある。美しい衣装,繊細で美しい腕や指の動き,優雅でしなやかな足運びをもつタイ伝統舞踊の動きは日本人の感性にもよく合う。

タイでは小学校や中学校で伝統舞踊を正規の授業の一環として学んでいるので,基本的な踊りはほとんどの人ができるという。これにはちょっと驚かされる。

バスターミナルから国境と反対側に歩き出す。畑一面に何やら花が咲いている。近くに寄ってみると,高さ1mほどの直立した茎に大きな葉が付いており,上部に薄いピンクの花がたくさん咲いている。

どうもタバコのように思える。葉の収穫を終えて放置しておくと,このようになるのであろうか。またひとつ新しい発見をして,ちょっと嬉しい気分だ。

大きなゴミ捨て場

ゴミを積んだトラックが埃をたてながら何台も通る。少し先に大きなゴミ捨て場がある。そこには分別無しにあらゆるゴミが捨てられている。回りには小さな小屋があり,資源ゴミを回収する10数人の人々が働いている。

仲良しの4人

メーサイの街を散策する。おばさんたちが外の縁台でごはんを食べている。一人がおいでおいでと誘ってくれる。タイ人はごはんのもてなしが好きだ。コメで作られた緬を辛いたれにつけていただく。うんうんとうなずきながら食べると,もっと食べなさいとよそってくれる。

その近くに4人の子どもが遊んでいる。カメラを向けるといろいろな反応を見せてくれる。動きが多くてなかなかフレームが決まらない。まあいいかと適当なところでシャッターを押したら,笑顔がすてきな写真になった。彼女たちにはお礼にタイ製のフーセンをプレゼントする。

市場の人々

露天の人々

建物内の市場

移動日の朝,朝食を探しに外に出る。屋台の食べ物屋は姿を消しており,大通りでは食事はできない。工事中の中国寺院の前で,竹カゴを背負った親子を見つける。後を付いていくと市場に入った。母親は葉物野菜を大量に買っていた。きっと自分の在所で小売りするのだろうなどと考えながら少女の写真を撮る。

周辺の食堂の食べ物は一様に日本人にとっては激辛のようである。ようやく普通の味付けの料理を見つけ朝食となった。ごはん,挽肉の炒め物,スープで20バーツである。

メーサイの中心部の人々


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