アオコに覆われた水面
06時に起床して今日で見納めになるナギン湖を眺める。ダル湖の東岸となる連なった山々の写真を撮り,三隻の小舟が連なって進んでいく珍しい光景を撮る。
ツバメは水面すれすれのところを飛び回り,反転している。小さな虫の集まるところがあるるのか,ツバメはある場所に集中している。カワセミのちょっとけたたましい鳴き声が響き,その後は静寂が訪れる。
08時30分にシカラがやってくる。対岸の半島部は交通事情が悪いというので南の木橋まで行ってもらい,そこから少し歩いてオートリキシャーをつかまえる。バススタンドまではけっこうな距離があり,料金の50Rpはおおむね妥当なところだ。
バススタンドでは次のジャム行きのチケットが発売されていた。しかし,到着が21時ということなのでこの日はバススタンドの近くに泊り,翌日の早朝便で出発することにする。
さて宿はどうしたものかと思案していると客引きがやってきて,だいぶ離れたハウスボートに案内してくれた。「Star of Asia」は家族経営であり,3分の1は家族の居住区になっており,残りが客室になっている。
大通りから見ると見渡す限りのハウスボートである。ダル湖全体では2000隻があるという。そのほとんどに客はおらず,観光客を運ぶシカラも本当にひまそうだ。
「Star of Asia」周辺のハウスボートは小さいし老朽化している。夜中は蚊の襲来に悩まされる。夕方にハウスボートから湖面を見ていると無数の波紋ができていることに気付く。周囲にはユスリカがたくさんいたので波紋はユスリカの羽化によるものだと思っていたが,中にはやぶ蚊も含まれているようだ。
暗くなるとコウモリが飛び交い,環境が悪化しているなりに自然は残されているようだ。キングフィッシャーのつがいがこの辺りをエサ場にしており,エメラルド色に輝く鳥が夕日の中でダイブを繰り返していた。
暗くなった頃にジャムに到着した。宿探しは面倒なので目の前のJDAホテル(250Rp)にした。部屋は立派であるがベッド以外の調度品はない。窓には送風ファンが付いており,大きな音に比例してよく冷やしてくれた。