亜細亜の街角
アヨーディアを見られなかったのは返す返すも残念だ
Home 亜細亜の街角 | Gorakhpur / India / Apr 2010

ゴーラクプル  (参照地図を開く)

ガンジス川中流域にはインドを代表する観光地が並んでおり,日本人がもっとも多く訪れるところであろう。この少し(といっても200kmであるが)北側となるアーグラ→ルクナウ→ファイザバード→ゴーラクプル→パトナ→ボーダガヤのラインはブッダ縁の仏跡地を巡るルートになる。

祇園精舎の次の目的地はアヨーディアであった。ここはガンジス川の支流に面したヒンドゥー教の聖地とされている。この町が日本でも報道されるようになったのは1992年の「モスク破壊事件」であった。アヨーディアのモスク跡がどうなっているか見ておきたいと考えてファイザバードにやってきたが,バススタンド周辺では宿がまったく見つからず,あきらめてゴーラクプルに移動した。

バランプール(08:10)→ファイザバード(11:40) 移動

07:15にいつもの食堂に行くとジャガイモがない。従業員にアルーはないのと聞いているとおばさんが聞きつけ注文に応じてくれた。しかし,今日のジャガイモの一つはは巨大であった。中くらいのものの3個分はある。巨大なものは平らげたが,さすがに残りのものの半分は残した。

チェックアウトして道路に出るとバスは出たばかりであった。次のバスを待つより乗り合いジープでゴンダに行くことにする。メインザックは久しぶりに屋根の上に乗せ,運転席の後ろの座席を確保することができた。最初は4人,最大は5人が一列席に押し込まれる。運転席も最大5人である。よくこれで運転ができるものだと感心する。ゴンダには09:10に到着した。やれやれ,やっと着いたかと独り言を言いながら下車する。

ファイザバード行きのバスは路上で客待ちをしていた。このような情報は地元の人に聞かないとまったく分からない。バスに乗車してから動き出すまではゆうに30分はあった。ファイザバードの手前で大きなガンガーの支流を渡った。乾季なので中州や河川敷の面積が大きく,川幅に200mほどである。これが雨季には河川敷は完全に水没するほどの水量となる。

川を渡ったところでバスが停車し,ここでほぼ半数の乗客が下車した。ここから見える川岸はガートになっており,巡礼宿のような建物が川岸を埋めている。ここはおそらくアヨーディアであろう。しかし,そのときはここがアヨーディアということがまったく考え付かなかった。これが敗着であった。ガートの周辺にはバラナシと同じように多くの巡礼宿のような建物があったので,ここなら宿を見つけることが出来たであろう。

ファイザバードに宿泊してアヨーディアは日帰りで訪れるという当初計画が頭にあり,ここで下車するという考えは浮かんでこなかった。地図で確認しておけばバスがアヨーディアを通過することが分かったのに・・・。とても残念なことをした。

ファイザバードのバススタンド周辺で宿を探したが,二軒とも断れた。残念ながらこの町では宿が見つからないと思い込んでしまい,ゴーラクプルに移動するプランを選んでしまった。ファイザバードのバススタンドはわけが分からなかった。ここではどこでバスに乗ればいいのか教えてくれる人もいない。英語がほとんど通じないのだ。宿といい,バススタンドといいこのファイザバードの印象はとても悪い。

Hotel SATYAM

ファイザバードからゴーラクプルに向かうバスの乗り心地はひどかった。比較的後ろの座席に座ったらひどい振動であった。1時間ほど連続してひどい振動が伝わってくるし,ジャンピング・スポットも数多くあった。あまりのことに乗客がゆっくり走れと大声で言うと少し速度が遅くなり,振動は大幅に減少した。ゴーラクプルのバススタンドには17:30に到着した。

サイクル・リキシャーに乗ってホテルに行ってもらう。バススタンドの300mほど北側に鉄道駅があり,その向かい側にはホテルはたくさんあった。二階に受付があり,半分くらい英語が通じる。僕の部屋は6畳,2ベッド,T/S付き,とても清潔である。料金は300のところを250にしてもらった。どうも僕の中では宿代が500円を越えると心理的な負担になるようだ。

線路沿いの長い看板

ゴーラクプル・ジャンクション駅は道路を挟んで宿の正面にある。しかし,その間にはインド式の大きな看板があり,駅の建物を見ることができない。今回の看板は「DOCOMO」であった。インド最大の財閥であるTATAグループと組んで携帯電話事業に参入したようだ。インドの携帯電話の普及率は相当なものだ。なんといっても日本の10倍近い人口を抱えているので市場規模が異なる。ある程度のシェアを確保できれば大きな事業となるだろう。しかし,携帯電話市場の競争はとても激しく,たくさんの会社がしのぎを削っている。

ゴーラクプル駅

ゴーラクプル・ジャンクション駅は横に長い白亜の建物であった。夜にはイルミネーションが点灯されホテルかと思っていた。奥行き方向はあまりなく,入り口から入るとすぐにホームに出てしまう。

連絡橋の上から長い列車を眺める

ホームの両側には連絡橋があり,そこからは現在入線中の二本の列車を見ることができた。どちらも多くの車両が連結されておりとても長い。ここからでも9両を数えることができる。反対側も同じくらいの長さだったので,全体は二十両編成ということになる。

駅周辺はホテル,食堂,露店がいっぱい

宿の前の通りは駅前通となっており,東側は長い駅舎,西側はホテル,食堂,露店がずっと並んでいる。この通りを西に折れて200mくらいのところにバススタンドがある。交差点はロータリーになっており,そこには槍をもった騎乗の武人の像がある。この像の周辺の柵にも「DOCOMO」の看板がたくさん取り付けたあった。

僕の大好きなパパイヤの切り身

バススタンドの前には果物屋が多い。ところが露店の果物は他の町に比べて高い。1kgの値段をチェックすると,オレンジは50Rp,ぶどうは80-100Rp,マンゴーは50-60Rpといったところだ。パパイヤの切り売りだけは1皿5Rpであり,他の町と同じ値段である。切り身のパパイヤは僕の好きな食べ物であり,今朝も一皿いただく。


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