亜細亜の街角
ラオス北部の玄関口
Home 亜細亜の街角 | Houeisai / Laos / Mar 2001

フェーサイ

メコン川に面したラオス最北部の町,対岸はタイのチエンコーン,北西にはミャンマーとの国境がある国境の町である。この町の日本語表記は難しい。フェーサイはガイドブックの表記であるが,一般的には「フアイサーイ」表記が多いようだ。

チェンコーン→フェーサイ移動  (参照地図を開く)

チェンライのバスターミナルに行くとチェンコーン行きのバスはすでに停まっており発車は08:00と告げられる。手ごろの朝食を探していると,なじみの「竹筒ごはん」を売っているおばさんがいたので1本いただく。直径7cmくらいの太目の竹だったので1本食べるとおなかがいっぱいになる。

小さな村をいくつか通過して,少し大きな町に着いたと思ったらそこがチェンコーンであった。バスステーションは町の南の外れにあり,フェーサイ行きのボート乗り場まではトクトクで行くことにする。運転手は最初,50Bなどと言っていたが実際の距離はせいぜい1kmだったので20Bを手渡す。

坂をメコン川の方に下っていくとイミグレーションがある。出国の方には係官がいなかったので入国の方にパスポートを差し出す。係官は「go to Laos ?」とだけ聞いて,イエスと答えるとスタンプを押してくれた。これで出国の手続きは完了する。

事務所の横には英文とタイ語の併記された看板があり次のように書かれている。「ラオスに行って賭博をするのは大変危険である。タイ政府は賭博に関連して助けを求められても関知しない」。また,「Gate to Indo-China」と書かれたおかしな門もある。

川岸まで下りるとボートハウスがあり,おばさんに20Bを払うと対岸まで行ってくれる。何年かぶりのメコン川は乾期にもかかわらず豊かな水量で流れている。対岸までは約300mである。あまりの簡単さに国境を超えているという実感がわかない。

ラオス側に着き坂道を登っていくと係官が右を指差して何かを言っている。イミグレーションを通り過ぎてしまうところだったのだ。坂の右のイミグレーションに行きEDカードを記入しパスポートと一緒に差し出すと,オーバータイム(日曜日のため時間外手当て)と言われ15Bを請求された。

ここから坂を登って道路に出ると新しいホテルが見えるのでそこに行く。タビィーシン・ホテルは1泊200B。内部もきれいでとても5$の部屋とは思えない。実際には自分の部屋は一番安いところで,エアコン付きのよい部屋はドアからして立派である。こちらにはツアーの中高年観光客が多く泊まっている。部屋の広さは10畳,トイレ・シャワー付き,大きなダブルベッドと物置台がある。シーツや枕カバーはとても清潔で居心地が良い。

天花粉の女の子

昼食のために外に出る。この町のメインストリートはホテルの前の道で,両側にたくさんのゲストハウスやレストランが並んでいる。その中の一つに入りメニューを見せてもらって驚いた。1B=200で計算するとタイよりずっと物価が高い。肉野菜炒めとコーヒーで65Bである。それに対して,この店の2階の部屋代は100Bだという。このギャップに頭を悩ませる。

日差しが強いため麦わら帽子を買いに市場に行く。市場には帽子はたくさんあったが麦わら帽子はまったくない。あきらめて近くのわき道のあたりを散策する。1軒の民家で天花粉で顔を白くした4才くらいのとてもかわいい女の子がいたのでちょっと休憩する。フーセンをあげたらとても喜んでくれる。

そういえばこの町の子供たちは日本人に似ている。雲南,ラオス北部,ミャンマー北部の民族のつながりが見えてくる。次の家ではお水とひまわりの種をごちそうになる。この家にも子供がいたのでお礼にヨーヨーを作ってあげる。子供たちが遊んでいるとさきほどの女の子が遊びにきた。子どもたちは近所の家庭に自由に行き来している。

メコンに寄り添って生きる人々

メコン川を見るため急な斜面を降りて川の近くに着くと間に小さな川がある。スニーカーをはいているので簡単には渡れない。ようやく小さな板が渡してある場所を見つけメコンに到達した。メコンのラオス側には小船が繋がれており,川で生きる人々の暮らしが見られる。

川の浅瀬では子どもたちが水遊びに興じている。しかし,カメラを向けるとみんな逃げ出してしまい写真にならない。あきらめてさきほどの小川のところまで戻ってくると2つのグループに出会う。やはりカメラに対して拒否反応を起こすので,フーセンをあげるとようやくモデルになってくれた。

朝食の風景

ホテルの右斜め前の食堂でフライドライスをいただく。味はまあまあ,値段も5000Kとまあまあである。朝食をとりながら自転車で登校途中の小中学生の写真を撮る。ラオスの女生徒の制服は白いブラウスにくるぶしまである長い巻きスカートである。彼女たちはその巻きスカートで器用に自転車をこいで行く。

中学生は北,小学生は南に向かっているのでまず小学校を見に行くことにする。小学校は大きな敷地の中に立派な校舎がある。ちょうど国旗掲揚の儀式が行われており,全児童が学年別に整列している。上級生が国旗を上げていくとき流れている音楽は国歌であろう。

タイでは少なくとも1日2回,テレビや街頭のスピーカーから流れてくるのですっかりおぼえてしまった。タイでは国歌が流れると人々は仕事の手を休め,直立不動もしくは胸に手を当ててこれに聞き入る。国歌が国民的コンセンサスを得られていない日本とは対照的である。ラオスでは学校以外では国歌を聞いたことがない。大人がどのような反応を示すか見てみたい。

メコン川のスローボート

ホテルに戻りシャワーで汗を流す。計画変更により乗らないことになったメコン川スローボートの船着場に向かう。気温はこの時間でも30度を超えているのでのんびり歩いていく。

スローボートは全長約10m,定員40人,立派な屋根が付いており,大きな荷物は屋根の上に置かれている。土曜と日曜は便が無いため今日のボートは満員である。ボート乗り場には対岸のタイと行き来するボートがたくさんあり,人や物資を運んでいる。なかには家舟に暮らしている家族もいる。

トカゲの悲劇を目撃する

東南アジアでは一般的に動物は車やバイクに対して反応が鈍い。ほとんどの牛や水牛は車がきてものんびり道を占拠しており,運転手が何回もクラクションを鳴らすとようやく道の端のほうに移動する。犬の反応も鈍くときどき犠牲者が出ている。対照的にニワトリは車が近づくと大慌てで逃げていく。

今日はトカゲの悲劇を目撃した。体長15cmくらいのトカゲは何を思ったのか道路を横断しようとしている。左右を確認すれば危険が迫っていることは分かるはずだが,無謀にも飛び出してしまう。最初のバイクはうまくすり抜けた。しかし次のバイクにもろにひかれてしまう。トカゲは一回もだえてそれでジ・エンドである。バイクの運転手はトカゲの悲劇に全然気がつかない。

小学校を訪問

街角の風景


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