亜細亜の街角補足

イスラム関連用語


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■イスラーム(イスラム)

■六信五行

■モスク

イスラム教の礼拝堂のことである。アラビア語ではマスジド(ひざまずく場所)といい,イスラーム帝国がスペイン地方を占領したときマスジドが訛ってスペイン語でメスキータとなり,それが英語ではさらに訛ってモスク(mosque)となった。モスクは欧米や日本における呼び名で,正式名称は「マスジド」である。しばしばイスラーム寺院と訳されるがモスクの中には崇拝の対象物はなくあくまで礼拝を行うための場所である。大きなモスクには専任職員としてイマーム(導師),ムアッジン(アザーンを行う者)がいる。

モスクの内部にはイスラーム教の教義に従い神や天使や預言者・聖者の(偶)像は置かれることも描かれることもない。装飾はもっぱら幾何学模様のようなものだけである。マッカ(メッカ)の方角(この方角をキブラという)に向けて,壁にミフラーブと呼ばれる窪みがある。これは,コーランの規程に従ってメッカの方向に対して行わる礼拝の方向をモスクに集う人々に指し示すためのもので,礼拝の場であるモスクに必須の設備である。

ミフラーブに向かって右隣にはイマームが集団礼拝の際に説教(フトバ)を行う階段状の説教壇(ミンバル)がある。礼拝の前に体を清めるための泉水などの付属設備をもとことが多い。また,礼拝への呼びかけに用いるミナレット(マナーラ)を有することも多い。

■ジャーミィ

モスクは都市の各街区,各村ごとに設けられ,都市の中心には金曜日(ジュマァ)の集団礼拝を行うための大きなモスクが置かれる。これが金曜モスク(マスジド・ジャーミー)である。金曜モスクは略してジャーミーとも呼ばれるようになり,トルコでは礼拝堂をマスジドではなくジャーミーと呼んでいる。シリアでは「ジャミア」となっている。

■マドラサ(イスラム神学校)

マドラサはイスラーム世界における学院を意味するアラビア語である。元々は単純に「学ぶ場所,学校」を意味するだけであったが,11世紀に制度的に確立し,イスラーム世界の高等教育機関として広く普及した。モスクと併設される場合も多く,一般に寄進財産で運営。近代の世俗教育の普及により一般教育から分離され,宗教教育の専門機関となった。

■金曜集団礼拝

金曜日(ジュマァ)は定められた集団礼拝の日で,この日は全イスラーム教徒にとって宗教的・社会的に特別の意義をもっている。本来は,毎日の礼拝のつとめも集団で行うのが良いとされているが,特に要求されていることではない。しかし,金曜日の礼拝を集団で行うことがイスラーム教徒の成年男子のすべてに義務と定められており,女性の場合は,本人の気持次第とされている。

ジュマァの礼拝の準備として,人びとは朝のうちにシャワーを浴びるか,沐浴をして身を清め,清潔な衣服を身につけて,ネギやニンニクのように不快な臭気を残す食物をとらない事になっている。

イスラーム諸国では金曜日の礼拝はマスジド(モスク)で行われる。しかし,モスクの数が少いところでは,信者の集まり易い適当な場所が礼拝の目的に使われる。一つの共同社会の中に住むイスラーム教徒にとっては,金曜日の礼拝を行うために一定の恒久的施設を定めておくことが望まれる。

金曜日の礼拝は他のすべての集団礼拝の場合と同様に,選ばれたイマームが指導する。礼拝の前にイマームが参集者にフトバ(説教)を行う。これは神へのつとめの一つである。イマームの説教は,短い間隔をおいて二つに分けて行われる。一つは最近起ったでき事,すなわち国の内外を問わず,イスラーム教徒のかかえている問題についてであり,もう一つはクルアーンの章節やハディースの注釈などを話題にするのがよいとされている。集団礼拝はイスラーム教徒の責任と義務について説き,世の中の動きを知り,また信者同志の精神的連帯を深めるための手段となっている。




















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