亜細亜の街角資料
メロンとスイカ
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メロンの原産地と伝播

アフリカ西部の国ギニアを流れるニジール河の沿岸に自生していた野生種がメロンの起源と言われ,原産地と言われています。これがエジプト,中央アジア,旧ソ連の南部へと拡がり,エジプトからギリシャ,ローマへ伝わり,やがてヨーロッパから各地に普及していきました。

現在の温室メロンにもっとも近い親品種は,ペルシアに駐在した英国大使が1826年にペルシアからイギリスに送った物で,気温が低く日照も少ないロンドンで大変な苦労をしながら沢山の優秀な品種を育成しました。

アールス種がわが国へ導入されたのは明治30年代で,福羽博士によって新宿御苑で初めて作られました。アールス種の肉色は僅かに淡黄色をした緑肉系で日本でもっとも好まれていますが,輸入当時の物は他の赤肉,白肉種等に比較すると芳香の上でやや劣るという欠点がありました。

しかし,現在静岡県西部一帯で栽培されているアールス種は,品種改良によって内容,外観ともに一段と向上した品質の高い物になっています。

マスクメロンの「マスク」は,英語のMASK(面)ではなく,フランス語のMUSC(麝香:じゃこう)から来ています。英語表記ではMUSKです。 麝香とは麝香鹿や麝香牛などの雄の生殖腺の分泌物の事で,香水の原料になる高級な香料です。 この麝香と同じく素晴らしい芳香を発するメロンという事で,マスクメロンと名付けられたのです。


ウリ科の野菜

メロンとウリは同じ仲間の植物ですが,メロンやウリは分類上ウリ科の植物です。 それでは同じウリ科の野菜や果物をあげてみましょう。あなたはどれくらいあげることができますか。 タネが似ているものはウリ科の可能性があります。カボチャも同じウリ科です。またキュウリ,スイカ,シロウリ,ユウガオ,ヘチマ,ヒョウタンなどがあげられます。そう言えば,なんとなくタネの形が似ていませんか?また,同じように1つの株に黄色い雌花と雄花が咲く,つるのある植物なのです。

簡単にウリ科の作物の特徴を調べてみました。キュウリ:古代からある野菜で,原産地はインドとされています。平安時代に中国から渡来しました。江戸時代までは重要視されていませんでしたが,今では生食,漬物などなくてはならない野菜です。

スイカ:原産地はアフリカ大陸と言われています。400年以上も前に中国から渡ってきました。

カボチャ:原産地は中南米とされ,日本には江戸時代にポルトガル船によってカンボジア産のものが長崎から渡ってきました。カボチャはカンボジアにちなんでつけられて種類名だそうです。更に明治維新後に西洋から多くの品種が持ち込まれました。

シロウリ:南アジアの原産で,日本には古くから栽培されています。マクワウリの一変種だとされています。奈良漬けとしてよく利用されています。

ユウガオ:原産地はアフリカ,アジアの熱帯地方とされています。日本では200年前から栽培されていました。栃木県での栽培が盛んで,干ひょうとして食材になっています。

ヘチマ:原産地はインドや南アジアとされています。日本には江戸時代に渡ってきたとされています。ヘチマは東南アジアやアフリカではタネや実を食用にしていますが,日本ではあまり食用にはされず,タワシや美容水として使われます。美容水はアセモに効くそうです。

メロンの仲間は多種多様でなかなかその起源を明らかにすることはできないそうですが,西アフリカに原生し古代にエジプトから中近東に渡り作物として進化したとされています。 それにはもう一度メロンのルーツをたどらなくてはいけません。

メロン類の原産地は西アフリカの二ジュール川沿岸だとされています。 エジプトから地中海沿岸からヨーロッパに渡ったものはイギリスで温室メロンと発達し,アメリカでは気候に恵まれ,露地栽培が発達しました。

ヨーロッパに広まったのは,中世,ロシアでは12世紀,スペインフランスでは15世紀に栽培が始まり,イギリスやアメリカには16世紀末にスペイン人によって伝えられたとされています。 また東洋ではエジプトから中近東から東進してイランやトルコ周辺で品種的発展が著しくシロウリやマクワウリとなり,紀元前に中国で栽培化され発達したグループがあります。

年代は古くて明らかではありませんが,日本にも入ってきています。 おおざっぱに言ってヨーロッパから入ってきたものはメロン,中国から渡ってきたものはウリとよんでいいようです。 このように欧米系のものを狭義にメロンと呼んでいます。

環境・土・農家の知恵がこの味を育みます。メロンの原産地は降雨量の少ないエジプト。このメロンも原産地に近い環境を再現するためになるべく水分を与えず,砂地で栽培。このメロンに与える水不足の危機で,本能を取り戻したかのように実に養分を溜め込むようになり,その結果,濃厚な甘みとコクがたっぷり,最高の味となります。  なんといっても,庄内でどんなに忙しくても夏の熱さでも手入れをしっかり大切に育て上げている「農家の想い」が一番のポイントです。