亜細亜の街角
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ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な雑穀

雑穀とは,きび・あわ・ひえ・ハト麦・大麦(押麦)・杯芽押麦・玄ソバ・そばの実・クコの実・緑豆などの米以外の穀物です。古代米とは,赤米・黒米などイネの原種である野生稲の特徴を受け継いでいる米のことです。日本では,古来からこのような雑穀や古代米を中心とした食生活を送ってきました。雑穀・古代米には良質の植物性のたんぱく質や食物繊維,ビタミン,ミネラルが豊富で,非常に健康的な食べ物と言えます。

最近では,通販やスーパーなどでも簡単に手に入るようになり,ダイエットや健康などの目的から,雑穀・古代米を買われる方が増えてきました。また,レストランなどのでも「五穀米」「十穀米」などの雑穀・古代米をブレンドしたものを出しているところも増えてきているようです。


代表的な雑穀・古代米

●きび

きびはユーラシア大陸でもっとも古くから栽培されていた雑穀です。遊牧民によって東西に伝えられ,今でも中央アジアやアフガニスタンなどで広く栽培されています。モチ種とウルチ種の2種があり,モチ種のきびは,桃太郎のきびダンゴで知られるように,主に団子やお菓子の原料にされています。粒はあざやかな黄色で,見た目も美しく,米に混ぜて炊くと,ふっくらと炊きあがるという性質があります。タンパク質,亜鉛,ビタミンB群,食物繊維などの栄養にも富んでます。

●あわ

あわはユーラシア大陸全般で広く栽培されてきました。直径1.5ミリと非常に小粒な作物ですが,収穫後の虫害につよく,何年もの貯蔵に耐えられるため,飢饉のときなどに重宝されました。粒は黄色がかったクリーム色。モチあわとウルチあわがあり,双方とも栄養価が非常に高いのです。モチあわはとろりと粘り気のある食感が特徴で,米に混ぜて炊くことはもちろん,ぜんざいの材料にしたり,チーズやオリーブ,グラタンなどのイタリア料理の食材としても合います。

●ひえ

ひえは中国,朝鮮,日本で古くから栽培されていました。水田耕作のできない丘陵地では,米に代わる主食として利用されていました。日本のひえは日本原産のノビエの改良種で,耐冷性があり,病害や旱魃にも強く,昭和初期までは東北地方を中心に全国で栽培されていました。灰色の小粒で,カルシウムが豊富,かるくふんわりとした食感とあっさりとした風味が特徴です。

●赤米

赤米はおよそ2400年前に中国から日本に伝わった古代のお米です。赤米の伝来によって,弥生の稲作文化が幕を開けたとされています。ぬかの部分が赤色の色素を含むことから赤米の名がつけられました。古代の神事に奉納された赤米のご飯が,お赤飯のルーツとも言われています。日本の伝統を引き継ぐ赤米は,近年注目を集め,お赤飯や雑炊の他にも,お菓子,味噌,酒などにも利用されています。栄養価も白米に比べて高く,とくにタンパク質やビタミン,ミネラルを多く含んでいます。

●黒米

黒米は,赤米と同じく大陸伝来の古代米です。玄米が黒色で,皮にも黒い色素が含まれていることから黒米と呼ばれます。しかし,5分搗きにすると紫色になることから,紫米,紫黒米とも呼ばれています。栄養価が高く,滋養強壮作用があることから,中国では「薬米」と称されて,薬膳に用いられていました。実際,黒米には豊富なビタミンとミネラルが含まれています。白米に混ぜて炊くほか,近年では黒米酢,黒米酒などの加工品も流通しています。