亜細亜の街角
美ら海水族館は一日いても飽きない
Home 亜細亜の街角 | 沖縄本島・本部|Nov 2013

海洋博記念公園正面ゲート

美ら海水族館は海洋博記念公園の一部になっている。正面ゲートは海よりかなり高いところにあり,オキちゃん劇場に向かって3段のエスカレーターが運行されている。美ら海水族館の周辺施設であるオキちゃん劇場,イルカラグーン,ウミガメ館,マナティ館は海岸の近くにあり,水族館はそこから一段高いところにある。

ジンベイザメの園芸

ここは正面が開けているので記念写真を撮るにはちょうど良いところである。昨日は修学旅行生の一団がここで記念写真を撮っていた。

ウミガメやタコ,イセエビもある

正面には分かりやすい形の伊江島が浮かぶ

ミストシャワーのサービスはさすがに季節外れ

正面ゲートから一段下がったところにはミストシャワーがある。本土でも猛暑の時期には熱中症対策として学校などでミストシャワーが取り入れられている。とはいえいかに南国の沖縄とはいえ,11月に入った時期にこのサービスは季節外れである。

美ら海水族館入り口

入口の写真を見ると小さな施設のように見えるが,美ら海水族館は海岸の斜面を立体的に利用しているので,全体像は海岸からでないと分からない。

ジンベイザメが出迎えてくれる

美ら海水族館のシンボルともいえるジンベエザメが出迎えてくれる。現存する最大の魚であり,美ら海水族館の大水槽の深さはジンベイザメが立ち泳ぎの状態で水面のエサを食べることができるようになっている。

美ら海水族館|館内案内

沖縄美ら海水族館は海岸の斜面を利用しているため,入口は4階にあたり,先に進むと3階,2階,1階と下っていく構造になっている。3階からの各フロアには「大海への誘い」,「サンゴ礁への旅」,「黒潮への旅」,「深海への旅」と名付けられた沖縄の海をテーマにした展示施設があり,沖縄の海を理解できるようになっている。

サンゴの海|生きたサンゴが観察できる

「サンゴ礁への旅」では以下のような展示があり,全部見るにはけっこうな時間が必要となる。
(1)イノーの生き物たち
(2)サンゴの海
(3)熱帯魚の海
(4)サンゴの部屋
(5)サンゴ礁への旅・個別槽
(6)水辺の生き物たち

なんといっても水槽越しに生きたサンゴを見ることができるのはちょっとした感激である。サンゴは適度の水温と日光が必要であり,そのためこの水槽には自然光が入るようになっている。

サンゴの海|アデヤッコ

和 名:アデヤッコ
学 名:Pomacanthus xanthometopon
科 名:キンチャクダイ科
属 名:サザナミヤッコ属
分 布:西部太平洋からインド洋にかけてのサンゴ礁・岩礁

サンゴの海|ナンヨウハギ

和 名:ナンヨウハギ
学 名:Paracanthurus hepatus
科 名:ニザダイ科
属 名:ナンヨウハギ属
分 布:太平洋・インド洋のサンゴ礁

写真の左側にいる青色の魚がナンヨウハギである。漢字表記は「南洋剥」となっているので,南洋に生息するカワハギの仲間というのが名前の由来であろう。

サンゴの海

左下の大きな魚がアデヤッコ,右上の青い小さな魚はアオバスズメダイ,中央の球状のサンゴはコエダミドリイシである。

サンゴの海|ハクテンカタギ

和 名:ハクテンカタギ
学 名:Chaetodon reticulatus Cuvier
科 名:チョウチョウウオ科
属 名:チョウチョウウオ属
分 布:中部太平洋のサンゴ礁

サンゴのポリプを主食としているという。同じ水槽に入れておくとサンゴに被害が及ぶのではと心配になる。もっとも上手に飼育すると人口餌も食べるようになるらしい。

熱帯魚の海|カンムリブダイ

和 名:カンムリブダイ
学 名:Bolbometopon muricatum
科 名:ブダイ科
属 名:カンムリブダイ属
分 布:太平洋・インド洋ののサンゴ礁

体長1.2mに達し,成長した個体は頭部が盛り上がり,大きなこぶ状となる。口からせりだした丈夫な歯で生きたサンゴを1日に5kgも殻ごと食べることで知られている。

ただし,カンムルブダイが食べるのは主に成長の速いサンゴであり,1種類のサンゴが増えすぎないように調整している。これはサンゴ礁の多様性を守る重要な役割を果たしている。カンムリブダイが食べたサンゴの殻は消化されないので白い砂となって排泄される。

熱帯魚の海|ヤイトハタ

和 名:ヤイトハタ(灸羽田)
学 名:Epinephelus malabaricus
科 名:ハタ科
属 名:マハタ属
分 布:紀伊半島以南の太平洋岸の岩礁・サンゴ礁

体長は1mにもなる大型のハタである。漢字表記で「ヤイト」がお灸のことであることが分かった。体の全面に散らばっている黒色の斑点をお灸の跡に見立てて命名したものであろう。水槽のすぐ近くにじっとしてくれていたのでアップの写真にすることができた。

熱帯魚の海|調査中

和 名:
学 名:
科 名:
属 名:
分 布:

熱帯魚の海|メガネモチノウオ

和 名:メガネモチノウオ,ナポレオンフィッシュ
学 名:Cheilinus undulatus
科 名:ベラ科
属 名:モチノウオ属
分 布:太平洋・インド洋の熱帯海域のサンゴ礁

オスの成魚は体長全長2mに達することもあり,ベラ科の最大種である。香港では高級魚とされており,乱獲やサンゴ礁の劣化によりIUCNのレッドリストでは絶滅危惧種(EN:絶滅危機)に指定されている。飼育環境下では30年以上生きた記録もある。成長すると前額部が著しく突出すようになり,その形がナポレオンの帽子に似ていることからナポレオンフィッシュの別名もある。

サンゴの部屋|ハナミノカサゴ

和 名:ハナミノカサゴ
学 名:Pterois volitans
科 名:ミノカサゴ亜科
属 名:ミノカサゴ属
分 布:インド洋・西太平洋のサンゴ礁

ミノカサゴの仲間は縦縞模様と胸鰭・尻鰭・尾鰭が扇子のような形状となっている。背鰭は長い棘状になっており,毒がある。独特の姿で水中を泳ぐのでサンゴ礁の映像にもよく登場する。姿かたちはユニークでも肉は上品な白身で美味である。

サンゴの部屋|ガンガゼ

和 名:ガンガゼ
学 名:Diadema setosum
科 名:ガンガゼ科
属 名:ガンガゼ属
分 布:インド洋・太平洋のサンゴ礁や岩礁

外観通りウニの仲間である。ウニの仲間は石灰質の殻をもちたくさんの棘を生やして身を守っている。しかし,全身が棘だらけでは食事ができない。そのため,口の周辺の棘は短くなっている。ウニの棘は簡単には人間の皮膚に刺さらないが,ガンガゼの棘は鋭く簡単に刺さり,しかも毒があるのでひどい痛みを感じる。

個別水槽|ホンソメワケベラ

和 名:ホンソメワケベラ
学 名:Labroides dimidiatus
科 名:カンムリベラ亜科
属 名:ソメワケベラ属
分 布:インド洋・太平洋のサンゴ礁・岩礁

サンゴ礁の掃除屋としてしばしば映像に登場する。大きな魚が口や鰓ぶたを開けてじっとしていると,ホンソメワケベラが体の表面や鰓,口の中などに食いついている寄生虫を食べてくれる。当然,ホンソメワケベラは大きな魚に捕食されないので,ギンポの仲間はホンソメワケベラに擬態することが知られている。

個別水槽|イトヒキテンジクダイ

和 名:イトヒキテンジクダイ
学 名:Zoramia leptacanthus
科 名:テンジクダイ科
属 名:Zoramia 属
分 布:西太平洋のサンゴ礁

体長4-6cmであり,個別水槽で展示されているように他のテンジクダイなどともに大きな群れを作る。群れを作るのは弱い魚が生き残るための戦略の一つである。夜行性であるが昼間もサンゴ礁から離れないように群れている。

個別水槽|彩りのサンゴ

個別水槽|アミチョウチョウウオ

和 名:アミメチョウチョウウオ
学 名:Chaetodon xanthurus
科 名:チョウチョウウオ科
属 名:チョウチョウウオ属
分 布:東南アジアから日本近海のサンゴ礁

個別水槽|チンアナゴ・ニシキアナゴ混在

白地に黒の斑点がチンアナゴ,白と茶色の縞模様がニシキアナゴである。体の下部はいつも砂の中に入れており,敵が近づくと全身を穴の中に入れて隠れる。

和 名:チンアナゴ
学 名:Heteroconger hassi
科 名:アナゴ科
属 名:チンアナゴ属
分 布:インド洋・西太平洋の熱帯・亜熱帯域

和 名:ニシキアナゴ
学 名:Gorgasia preclara
科 名:アナゴ科
属 名:シンジュアナゴ属
分 布:インド洋か・太平洋の熱帯・亜熱帯海域

個別水槽|アオリイカ

和 名:アオリイカ
学 名:Sepioteuthis lessoniana
科 名:ヤリイカ科
属 名:アオリイカ属
分 布:西太平洋・インド洋の熱帯・温帯域

イカは特徴が少ないので識別は難しい。水槽内の個体は体調が15-20cm程度である。アオリイカの成体は40-45cmにもなるのでおそらく幼体なのであろう。

個別水槽|セミエビ

和 名:セミエビ
学 名:Scyllarides squamosus
科 名:セミエビ科
属 名:セミエビ属
分 布:インド洋・西太平洋の熱帯・亜熱帯域

この風変わりなエビは初めて見た。日本では房総半島以南の海域に分布しており,築地市場でも高級エビとして取り扱われている。ネット上では食べた感想として「ゆでてみると身がつまっていて想像以上に歩留まりが高い。身には甘みがあり非常に味がいい。イセエビなどよりもうまいと思える」という記されていた。那覇の公設市場ではイセエビやニシキエビより高いと説明された。

熱帯魚の海|ヘコアユ

和 名:ヘコアユ
学 名:Aeoliscus strigatus
科 名:ヘコアユ科
属 名:ヘコアユ属
分 布:西太平洋・インド洋のサンゴ礁

美ら海水族館の公式サイトでは人気者と記されている。頭を下にした独特の逆立ち泳ぎが人気の理由であろう。しかし,小さな個体であり二つほどの群れになっているのでゆっくり観察していないとお目にかかれない。沖縄の方言名は「キーヌハーイユ(木の葉魚)」であり,この魚の特徴をうまく言い表している。

熱帯魚の海|サザナミフグ

和 名:サザナミフグ
学 名:Arothron hispidus
科 名:フグ科
属 名:モヨウフグ属
分 布:西太平洋・インド洋のサンゴ礁

美ら海水族館の公式サイトでは「ネズミフグ」しか紹介されていないが,どうみてもハリセンボンの仲間とは思えない。背中の斑点と腹部の模様を手掛かりに探すと「サザナミフグ」であろうということになった。毒性があり皮膚からも毒を出すといわれているのでこのような大きな水槽に他の魚と一緒に飼育して大丈夫なのか心配になる。

熱帯魚の海|ウミキノコの仲間かな

サンゴの仲間には石灰質の殻をもつもの(イシサンゴ,宝石サンゴ)と殻をもたないもの(ソフトコーラル)に分かれる。サンゴ虫はイソギンチャクに近い動物であり,石灰質の殻をもたないソフトコーラル(軟質サンゴ)は外観的にもイソギンチャクに類似するものが多い。ウミキノコの仲間はイソギンチャクのような太い胴部からたくさんのポリプをなびかせてプランクトンなどを捕食する。

個別水槽|アカシマシラヒゲエビ

和 名:アカシマシラヒゲエビ(赤縞白髭蝦),アカスジモエビ
学 名:Lysmata amboinensis
科 名:モエビ科
属 名:ヒゲナガモエビ属
分 布:インド洋・太平洋・カリブ海の熱帯・亜熱帯域のサンゴ礁

「アカシマシラヒゲエビ」というカタカナ文字をどこで切って読むべきか悩ましい。漢字表記を見てようやくアカシマ・シラヒゲエビであることが分かった。

背中の鮮やかな赤い帯の中央に白い筋が入っており,派手な色彩のエビである。サンゴ礁の岩穴に住み,同居する魚の体表に付着している寄生虫や食べ物のカスを食べる。鮮やかな体色と長い触角が目印となり,捕食されないと考えられている。

個別水槽|ウメイロモドキ

和 名:ウメイロモドキ
学 名:Caesio teres
科 名:タカサゴ科
属 名:タカサゴ属
分 布:西太平洋・インド洋のサンゴ礁

背中から尾にかけては黄色,頭部から胸部にかけては薄い紫,腹部は銀白色という体色の美しい魚である。体長は30-40cmであり,サンゴ礁を大きな群れで泳いでいる。

タカサゴ科を代表する「タカサゴ」は重要な食用魚であり,沖縄では「グルクン」と呼ばれ,県魚に指定されている。その仲間のウメイロモドキは「アカジューグルクン」と呼ばれ,追い込み漁で捕獲され食用にされる。

熱帯魚の海|ヒメフエダイ?

和 名:ヒメフエダイ
学 名:Lutjanus gibbus
科 名:フエダイ科
属 名:フエダイ属
分 布:インド洋・中部太平洋のサンゴ礁・岩礁

ヒメフエダイと推定したが体色に大きな幅があり,確信はない。

熱帯魚の海|ゴマモンガラ

和 名:ゴマモンガラ
学 名:Balistoides viridescens
科 名:モンガラカワハギ科
属 名:Balistoides 属
分 布:インド洋・西太平洋の熱帯域のサンゴ礁

黒潮の海|巨大水槽に圧倒される

1階部分には「黒潮の海」と呼ばれるアクリル製の巨大水槽が置かれている。大きさは横幅35m,奥行き幅27m,高さ10mであり,7500m3の海水が入っている。正面のアクリルパネルは横幅22.5m,高さ8.2mであり,厚さは60cmある。

この巨大な水槽の中を外洋を回遊するジンベイザメやナンヨウマンタ(オニイトマキエイ)のような魚も悠々と泳ぎ回ることができる。水槽の高さを10mとしたのは成長すると9mにもなる巨大なジンベイザメが立ち泳ぎの状態で水面に浮いたエサを食べることができるようにするためである。

美ら海水族館は2002年に開館した時は世界最大の水族館であり,「黒潮の海」水槽も世界最大の容積をとしてギネスブックに登録されていたた。それから10年が経過し,水族館の規模,水槽の容積とも世界最大の地位は譲ったものの,その素晴らしい展示内容により,世界最大級,世界最高レベルの水族館であることはまちがいない。

ちなみに2013年時点の巨大水槽のランキングは下記のようになっている。

名称 開館年 容積
ドバイ水族館2008年10,000m3
美ら海水族館2002年7,500m3
リスボン水族館1998年6,000m3



この大水槽の上部には「黒潮探検(水上観覧コース)」があり,ナンヨウマンタ(オニイトマキエイ)の動きを上部から観察することができる。また,水槽に隣接したカフェ「オーシャンブルー」などもある。

「黒潮の海」水槽はこの水族館のハイライトであり,その前はいつも混雑している。さいわい,水槽前に降りるためのスロープがあり,そこから観客をシルエットにする形で写真を撮ることができる。もっとも,混雑を避けるため僕は10月末の平日に訪れたので,修学旅行生がときどきどっと押しかけてくる以外はかなり空いた状態で見学することができた。

この水槽にはおよそ70種の魚が飼育されているが,種類だけなら「熱帯の海」水槽の方が200種と多い。

ジンベイザメは立ち泳ぎの状態で餌をもらう

美ら海水族館のジンベイザメが立ち泳ぎの状態で水面に浮いている餌を食べるシーンは有名である。「黒潮の海」水槽の深さはジンベイザメがこの姿勢で摂食できるように設計されている。

この姿が広く知られることから,立ち泳ぎの摂食行動が自然の姿であると考える人もあるかもしれないが,本来は横になって泳ぎながら大きな口を開けてプランクトンを水と一緒に飲み込み,鰓で濾し取り水だけを排出する。

世界最大の魚が小さなプランクトンを食べるというのも不思議に思えるかもしれないが,世界最大の哺乳類であるシロナガスクジラもプランクトンを常食している。食物連鎖の低位に位置するプランクトンを大量に摂食できる大型動物は生態系における強者だけなのである。

黒潮の海|ギンガメアジの仲間

ギンガメアジ科にギンガメアジ,ロウニンアジ,カスミアジ,オニヒラアジなど大型の回遊魚が多い。黒潮の海水槽にはこのうちギンガメアジ,ロウニンアジ,オニヒラアジが飼育されている。三種類の魚を並べてみたら大きさやわずかな違いから種が分かるが,この写真だけではとても判定できない。

黒潮の海|ヒョウモンオトメエイ

和 名:ヒョウモンオトメエイ
学 名:Himantura uarnak
科 名:アカエイ科
属 名:オトメエイ属
分 布:太平洋西部とインド洋の熱帯・亜熱帯海域

エイの仲間は長い尾をもっているので体の大きさは横幅に相当する体盤幅で表す。ヒョウモンオトメエイの体盤幅は1.8m,尾を含めた体長は3mに達することがある。

エイは中生代ジュラ紀にサメの一部の系統から海底生活に適応して進化したと考えられている。そのため,一部のエイはサメと区別がつかない外観と生態をもっている。海底生活に適応したエイの中から再び遊泳生活に戻ったものもあり,そのグループは「トビエイ目」に分類される。海中を優雅に羽ばたくように遊泳するエイはすべてトビエイ目に含まれる。

黒潮の海|巨大な影が通り過ぎる

黒潮の海|ちゃかりもののコバンザメが付いている

和 名:コバンザメ
学 名:Echeneis naucrates
科 名:コバンザメ科

小さいように見えるが70cmほどはある。頭部の背面に小判型の吸盤があり,これで大型のサメ類やカジキ類,ウミガメなどに吸い付き,えさのおこぼれや寄生虫,排泄物を食べて暮らす。コバンザメが一方的に利益を得る片利共生であり,取りつかれたウミガメなどは迷惑そうに振り払おうとする映像を見たことことがある。

以前からコバンザメの吸着の仕組みを知りたいと考えていた。wikipedia には吸盤の仕組みが詳しく記されている。簡単にいうとふだんは寝ている吸盤が立ち上がっての宿主の体表に触れると通常の吸盤と同じように内部が負圧になって吸い付く。コバンザメが宿主より早く動くと吸盤内に海水が入り離れることができる。

黒潮の海|ウメイロモドキ

和 名:ウメイロモドキ
学 名:Caesio teres
科 名:タカサゴ科
属 名:タカサゴ属
分 布:西太平洋・インド洋のサンゴ礁

黒潮の海|ジンベイザメはちょうどよいところを通る

黒潮の海|ちょっと失敗

写真右上が少し欠けている。水槽から離れたところから「黒潮の海」を撮ろうとするとときどき水面の上までフレームに入ってしまうからだ。どうしても注意がジンベイザメに集中してしまいフレーム全体に神経が行き届かなくなる。三脚があるとその失敗は避けられるが,館内ではとても無理な相談だ。

黒潮の海|マンタはなかな近寄ってくれない

この写真と次の写真は「美ら海シアター」から見たものである。「美ら海シアター」は沖縄の美ら海(美しい海)にすむさまざまな生き物たちの生態や沖縄の人々と海との関わりをハイビジョン映像で紹介している。

プログラム上演中はスクリーンが下ろされており,終了後はスクリーンが上げられ,その背後は「黒潮の海」水槽となっている。1階のパノラマは見られないものの,少し高いところから魚たちを観察することができる。1階ではなかなか撮影できなかったマンタも近くに寄ってくるのでアップの写真を撮ることができた。

黒潮の海|ジンベイザメがずいぶん近い

同様にジンベイザメもすぐそこにいるような写真になる。

黒潮の海|延べ2時間はこの水槽を見ていた

黒潮の海|給餌時間になると内部は騒がしくなる

黒潮の海|がこれ最後のジンベイザメ

黒潮の海|カフェ「オーシャンブルー」

サメ博士の部屋に移動

オオメジロザメ

和 名:オオメジロザメ
学 名:Carcharhinus leucas
科 名:メジロザメ科
属 名:メジロザメ属
分 布:地中海と紅海を除く世界中の熱帯・温帯域

最大で体長が4m,体重が300kgにもなる大型のサメであり,ホオジロザメ,イタチザメなどとともに人間にとってもっとも危険なサメである。胎生であり,美ら海水族館では飼育下の繁殖に成功している。

絶滅した古代ザメ・メガロドンの頭部復元模型

メガロドンは約1,800万年前から約150万年前にかけて,海が比較的暖かった時代に生息していたサメである。一般的に軟骨魚類であるサメの仲間は歯以外は化石として残らない。そのため,歯の大きさを基準に現生最大種のホオジロザメの何倍の大きさと推定している。

最大のものは体長が13m-20mとされており,ホオジロザメ(体長6m)よりはるかに大きな種であった。「危険ザメの海」に展示されているメガロドンの復元模型は体長16m相当のものであり,その巨大な顎に驚かされる。ちょうど修学旅行生が記念写真を撮っていたので大きさの比較ができる。

メガロドンは何を食べてそのような巨体を維持できたか,またどうして絶滅したかについてはいろいろな学説があるようだ。有力な学説はクジラの祖先を食料としていたが,進化した大型クジラが寒冷な海域に逃げ込み,変温動物であるメガロドンは寒さに適応できなくなったため食料難で絶滅したというものである。

黒潮探検(水上観覧コース)

エレベータを利用すると「黒潮の海」水槽の上に出ることができる。そこからは水族館の舞台裏を見ることができる。一般的に魚は上からの影に敏感なのでここでは一定の配慮ができているのだろう。

水族館の裏方の仕事の一端が分かる

マンタとトビエイ

ショップ・ブルーマンタ

人気のジンベイザメ

マナティは実物も愛嬌がある

Tシャツ

この土産物ショップから水族館の外に出ることができる。いくつかの周辺施設は水族館の建物の外にあり,をそれらを見学してから再入場するためには出口で紫外線に反応する特殊なインクのスタンプを手の甲に押してもらう必要がある。スタンプは目には見えないが,再入場のとき紫外線を当てると蛍光色のジンベイザメが浮かび上がる。

総合休憩所|クジラの骨格標本

沖縄美ら海水族館に付属する休憩施設である。ここには主としてクジラに関する展示がある。やはり目を引くのは天井から吊るされているマッコウクジラの骨格標本である。

標本の大きさは分からないので標準的なマッコウクジラの大きさを調べてみた。するとマッコウクジラにはクジラ類では最も大きな性差があることが分かった。オスの体長は16-18mであるのに対して,メスは12-14mである。

哺乳類におけるこのような性差はハーレムを作る動物に多い。つまり,大きくて強いオスがメスと独占的に繁殖できるため,小さくて弱いオスの遺伝子は子孫に引き継がれなくなり,時間とともにオスは大きなものだけになる。そのような極端な性差はマウンテンゴリラ,ミナミゾウアザラシなどにも見られる。

美ら海水族館前ビーチ|人が入ると雰囲気が出る

美ら海水族館前のビーチはすばらしい南国の色に輝いていた。お天気が良いとこのようなすばらしい光景に巡り合うことができる。ちょうどビーチに女性たちがいたので,良いアクセントになってくれた。

美ら海水族館前ビーチ|すばらしい海の色

マナティ館

沖縄近海に生息する海生哺乳類はジュゴンであるが,ここではカリブ海のマナティが飼育されている。ジュゴン(カイギュウ目・ジュゴン科)はアフリカ東海岸から東南アジアにかけての暖かく浅い海域に生息している。

生態はよく分かっておらず,主食であるアマモの裳場の減少,海洋汚染,人間による混獲などにより数を減らしており,生息数は10万頭程度とされている。日本近海では50頭程度と推定されており,環境省の絶滅危惧種(CR)に指定されている。神経質で飼育は非常に難しく,日本国内の飼育例は鳥羽水族館の1頭のみである。

一方,マナティ(カイギュウ目・マナティ科)はカリブ海を中心に南北アメリカ東岸とアフリカ西岸に分布している。食性はジュゴンと類似している。かっては肉のため乱獲され,絶滅危惧種として国際的な保護動物となっている。日本での飼育は美ら海水族館を含めて4ヶ所である。

ウミガメ館|外のプール

黒島研究所ではウミガメの良い写真が撮れなくれ悔しい思いをしたが,ここのウミガメ館ではたくさん撮ることができた。ここにはタイマイ,アカウミガメ,アオウミガメ,ヒメウミガメ,クロウミガメが飼育されている。といっても,素人にはウミガメの種類は分からないので撮りやすい個体を撮っただけである。

ウミガメ館|外のプール

ウミガメ館|地階の観覧室

海側から見る美ら海水族館

陸側からは最上階の一部しか見えないが,海側から見ると海岸の斜面を利用した建物の構造がよく分かる。

イルカラグーン

イルカラグーンではイルカをすぐ近くから観察することができる。

飼育員にエサをねだるオキゴンドウ

後ずさりのテールウオークでご挨拶

おもちゃを運んでくる

見事なジャンプ

オキちゃん劇場

イルカラグーンのとなりに深いプールがあり,陸側にはすり鉢状にイスが配置された観客席がある。定時に「オキチャン劇場」のショーがあり,その時間になると大勢の観客が集まってくる。ショーの内容はオキゴンドウやミナミバンドウイルカの知能の高さを示すものと優れた運動能力を披露するものである。

前の席の修学旅行生はおそろいのシャツ

オキちゃん劇場は満員となる

まずは二連ジャンプ

リングを運んでくる

立ち泳ぎで全員がご挨拶

いったいどのくらい跳べるのであろうか

これは高い

息の合った二連ジャンプ

再入場の時はこうしてチェックする

再入場するときは半券を提示するか,出るとき押してもらったスタンプを機械にかざすとジンベイザメの姿が浮かび上がる。

1日水族館で遊び夕食は沖縄そば

今日の食事内容は次の通りである。 朝食:宿でパン,チーズ
昼食:水族館のカフェでハンバーガー,コーク
夕食:チャンプルー食堂で三枚肉そば

本部は沖縄そばの店が集まっており,本部町商工会は2010年10月17日の「沖縄そばの日」に合わせて県内初の「そばの町宣言」を行った。宿で平成24年度版の「そばマップ」をもらい,確かに沖縄そばの店が多いことにちょっと驚いた。

本部町に沖縄そばの店が多いのは戦前からカツオが水揚げされる港町として栄え,ダシのもとになるカツオ,カマボコ店も多く,食材が手に入りやすい環境であったからと「そばマップ」には説明されている。


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