私的漫画世界
「スーパー総務マン」から「サラリーマンの応援歌」に…
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高井研一郎

高井研一郎(1937年生)は手塚治虫のほぼ10年後輩,石ノ森章太郎とほぼ同期の漫画家です。漫画家になる以前は「漫画少年」に投稿し,石ノ森章太郎や赤塚不二夫と知り合います。

定時制高校卒業後は赤塚たちに誘われてトキワ荘に入居する約束をしていましたが,上京してみると高井が入ろうとしていた部屋に水野英子が入居しており,トキワ荘には入れなかったという逸話がwikipedia に記されています。

1956年に漫画家としてデビューし,手塚治虫のアシスタント,赤塚不二夫の仕事を手伝いながら青年誌を中心にナンセンス漫画を発表していますが,私はその時期の高井研一郎の作品はまったく読んだことがありません。

高井研一郎の作品に接するようになったのは彼が50歳に手が届く1986年にビッグコミック系に連載を開始してからのことです。「総務部総務課 山口六平太」はビッグコミック,「プロゴルファー織部金次郎」,「あんたの代理人」はビッグコミク・スペリオールで発表されました。

「総務部総務課 山口六平太」を最初から眺めると登場人物の顔が激変していることに気が付きます。もともとの細かい書き込みの少ない描き方は変わっていませんが,ナンセンス漫画のタッチから,登場人物の性格や役柄に合わせるように変えています。この変更により登場人物の描画が作品の性格とよくマッチするようになりました。この絵柄の変化は他の2作品にも反映されています。

「総務部総務課 山口六平太」の世界

「総務部総務課 山口六平太」は1986年に「ビッグコミック」で連載が開始され,現在も連載が続いています。連載期間は足かけ26年にもなり,単行本は64巻くらいまで進んでいます。基本的に1話完結のスタイルとなっており,社会情勢は現実世界とともに変化していますが,登場人物はほとんど変化しない設定となっています。

原作は林律雄,作画は高井研一郎です。当初は「スーパー総務マン」の物語でしたが,いつの頃からか「サラリーマンの応援歌」という副題が付けられるようになりました。物語の舞台は大日自動車株式会社の総務部・総務課となっています。大日自動車は大排気量車は生産していないものの中堅の自動車会社ということになっています。

この規模の自動車会社でしたら従業員数は1万人ほどであり,総務課も相応の大きさが要求されますが,物語の設定では課員7名の小さな所帯となっています。これは登場するキャラクターを制限し,物語を不必要に複雑化させないためのものと考えられます。

総務課のメンバーを紹介すると推定年齢順に今西欣治(課長),有馬貴臣(係長),宮本桃子,山口六平太,村木賢吉,小山真弓,三井京子ということになります。このメンバーで大きな会社の総務をこなすのは大変であり,いつも難問が持ち込まれます。

課長の今西は中間管理職の典型であり,いつも総務部長,他部署のお偉いさん難題に頭を悩めています。係長の有馬は1960年代に一世を風靡した無責任男を地でいくような性格であり,重役や部長のいうことはごもっともと仕事を引き受けますが手に余るとすぐに投げ出してしまいます。課長や係長が持ち込んでくる問題を解決する役割はすべて六平太に回ってきます。

また,今西課長は波風を立てることを好まない穏やかな性格ですが,有馬係長は現代用語でいうセクシャル・ハラスメントとパワー・ハラスメントの権化であり,村木,真弓,京子はいつもその被害者となっています。

さすがに,「恐怖の桃ちゃん」と呼ばれる宮本桃子にはいやみ程度で留まっているようです。それでも,あまりのハラスメントにときどき桃子からきつい論理的な反撃を受け,村木に八つ当たりします。

いかに漫画の世界とはいえ,これは現実離れしたものであり,さらに,物語は「機転の六平太」から「スーパー総務マン」に発展していき,その問題解決能力はほとんど神がかり的です。このようなあまりにも漫画的な世界は現実のサラリーマン世界とはずいぶんかい離しています。

今西課長や有馬係長が管理職を務まるなら,世の中間管理職で苦労する人はいません。六平太ほどの問題解決能力,調停能力をもっているなら同期入社組にさきがけて係長・課長くらいになるはずですが,そのような人事はありません。

現在の会社組織では能力がすべととはいいませんが,能力がなければ階段を上がっていくことはできません。この作品の読者はストレスが癒されることはあっても,まじめに仕事をしていればきっと明日は開けるという気になるとは思われません。

とはいうものの,この作品は連載期間が25年にも渡っており,初期段階における六平太の問題解決能力を中心に展開するスタイルから,会社全体の活動の中から時節に合わせた話題をテーマにして,そこに総務課があるいは六平太個人が絡むという展開となっていきます。また,自己中心的で問題を引き起こすのが得意な有馬係長が作ってくれる問題を解決するスタイルもしばしば出てきます。

さらに,(常連メンバーの性格設定は初期のままですが)常連メンバーや社員の個性や私生活にもスポットを当てるてるようになります。会社生活あるいは私生活においてすべての人は大なり小なり悩みや問題点を抱えており,物語の主題はそのような悩みや問題の解決に移行していきます。

このあたりから物語は常識的な線に落ち着いてきており,「スーパー総務マン」から「サラリーマンの応援歌」への移行時期にあたります。この作品はいわゆる「業界もの」というジャンルに含まれるのかもしれませんが,自動車会社の裏事情などはほとんど出てきません。業界事情はこの作品のテーマではなく,大日自動車で働く人々の等身大の人間ドラマを描いたものと考えて差し支えありません。

このようなテーマを扱っているのであれば「サラリーマンの応援歌」という副題にはある程度納得することができます。読者はさまざまな悩みや問題を抱える作品中の登場人物に自分を重ね,その解決プロセスを自分への教訓としていくことができます。

しかも,問題を前向きに解決していくことが多いので,そのあたりが「サラリーマンの応援歌」とされる所以なのでしょう。現実の社会では物語のように問題が解決できることはないにせよ,現実をあまり重く受け止めすぎないで,六平太の機転と笑いの中でストレスを癒し,前向きに生きていこうとする活力を生み出す効果を期待することができます。

この作品の面白さ

この作品は一話完結のスタイルとなっており,一話ごとに話を代表する副題が付けられています。常連の登場人物は総務課,秘書課,営業のメンバーであり,その他にも田川社長,横山相談役や大株主の金森老人などです。連載期間が長期化すると1回あるいは一まとまりの話にだけ登場する人も多く,常連メンバーとともに話を形作っています。

初期の頃は有馬係長の毒舌やハラスメントもそれほどひどくはなく,六平太の問題解決能力,調停能力を主題に物語ができていました。また,「松山立志伝」,「青葉寮風雲篇」,「ロシナンテ開発」のように特別な設定による一まとまりの物語も挿入されています。

話の作り方は文句なしにおもしろいですね。一話完結のスタイルですので一話ごとにじっくりと読み進めることができます。最近の漫画のように派手さはなく,多少デフォルメされているものの等身大の人間がドラマとなっています。このあたりのテイストが読者の支持を受け,26年間の長寿連載を支えている理由でしょう。

連載が長くなり巻を重ねてもこの作品は一定の面白さを継続していますが,単行本を収集する側としてはどこかはで歯止めをかけなければなりません。私は40巻で収集をあきらめました。

物語は現在も進行中であり,単行本も64巻を数えています。最近の話を立ち読みしてみると,ずいぶんさらりとしていて,話の厚みが失われてきたように感じます。同じようにサラリーマンを主人公にして長期連載が続いている「釣りバカ日誌」ともども曲がり角にきてるようです。

「釣りバカ日誌」のところにも書きましたが,「釣りバカ日誌」は1979年,「総務部総務課 山口六平太」は1983年に始まっています。当時の企業環境は現在と比べて格段に良好であり,そのような時代を背景にしてはじめて「釣りバカ日誌」や「総務部総務課・山口六平太」は物語として成立しました。

それから30年が経過して,現在の日本には二つの物語のように余裕のある企業は非常に少なくなっています。私のような団塊の世代にとっては「サラリーマン」という言葉には「気楽な稼業」というフレーズが連想されますが,現在では「ビジネスマン」が「24時間戦う企業戦士」というフレーズとペアになっています。サラリーマンという言葉自体が古きよきサラリーマンの時代を回顧するものとなっています。

六平太の名前のいわれ

第2巻に六平太がお正月に帰省する話があります。作品中では山陽新幹線で小郡まで行き,そこから山口線に乗り換えて山口駅に到着すると説明されています。

県庁所在地のある山口市は内陸にあるため,山陽新幹線の停車駅になっていません。しかし,2005年に旧・山口市と旧・小郡町、旧・阿知須町は平成の大合併で合併しており,それに先立つ2003年に小郡駅は「新山口駅」と改名されています。

山口家ではお正月に兄弟姉妹が実家に集まってきます。父親(達之助)は短大の学長,母親は専業主婦をしています。この両親は子どもの名前に生まれた順に数字を使用しているようであり,一平,大二郎,三喜,四詩子,小五郎,六平太と続いています。

六平太6人兄弟の末っ子であり,六平太を除きみんな結婚しています。子どももいるのでお正月に全員が集まるときは大変なにぎやかさになります。このときの話のオチはセルフタイマーで記念写真を撮る時に,カメラの前で六平太がころび,記念写真の前に六平太の穴あき靴下が写っているというものでした。

スタイルの変化

読みかえしてみると初期段階ではいろいろな問題があることが分かります。とはいうものの25年も前のことですからそれほど目くじらをたてるほどのことではありません。

作画を担当している高井研一郎は赤塚不二夫とも親交があり,それまではほとんどナンセンス漫画を描いていました。そのため,この作品の開始時期の人物の造形はほぼその路線の延長となっていました。

しかし,その造形ではとても六平太がらみのいい話には不釣り合いです。また,美人秘書とされている吉沢小夜子の造形もかなりひどいものでした。さすがにそのままではまずいということになったのか単行本の第4巻あたりから六平太はジャガイモ風に小夜子は少し美人顔となっています。それに合わせて他の常連の人物の造形もまじめな方向に変わっていき,話の内容と登場人物はだいたい一致するようになりました。

また,初期段階ではしばしば登場し,社長を唖然とさせた六平太のタバコ芸(くわえ煙草を舌で巻き取って口の中に入れ,火のついたたまま口を閉じる)もじきに姿を消しています。

1980年代ではまだ社内禁煙は採用されてはいませんでしたが,少なくとも自分の席や休憩室以外では禁煙という基本ルールはできていたはずです。ロビーで立ったままタバコを吸ったり,トイレット・ペーパーを両手で抱えてくわえ煙草で廊下を歩くなどということは許されるわけがありません。

しかも,エレベータにまでくわえ煙草のまま乗り込み,社長にボタン操作を依頼するようでは社会人としては完全に失格です。このような裏芸で社長とのつながりができるようでは会社のレベルが低すぎるといわざるを得ません。絵柄といい,たばこ問題といいかなり難点のあるスタートでした。

しかし,しだいに問題点は解消され,単行本の第3巻あたりから総務課に持ち込まれる諸問題を六平太の機転と気配りで解決していく話に収斂していきます。第1巻から総務課に持ち込まれた問題を引用してみると次のようになります。

● 総務課が実施した部屋のレイアウトの結果,景色が悪いと某部長から苦情が来ます。今西課長はオロオロし,原案を作成した有馬係長はすぐに逃げ腰となり,六平太に丸く収めるように指示します。六平太は某部長の部屋からエアロビスクの教室が見えることを指摘してから変更を提案します。

某部長は「この部屋もそう悪くない,総務も大変だからこのさいわがままはよしましょう」ということになります。このとき六平太は部屋にオペラグラスをさりげなく置いて帰り,「やるなあ…あの男」と言わせます。問題が解決すると有馬係長は今西課長を前に「当然ですよ,ボクのレイアウトにガタガタ言われる筋合いはない」と胸を張ります。

● 人の手柄は自分のもの,自分の失敗は人のものという上司に悩む社員のために六平太は屋上に鬼の看板を置き,きずものとして安く仕入れてきた陶器を1回10円で看板にぶつけて割り,ストレスを解消するアイディアを実現します。

ストレスを抱える社員は多いのでこの企画は大当たりします。くだんの問題上司はこれもんの業界紙に女性スキャンダルについて脅され,その後は急におとなしくなります。この話のように勧善懲悪的な側面をもつこともあります。

● 全館共通のエアコンは個人により感じ方が異なります。暑がりの北野常務からは暑いと苦情が,設計部からは寒くて仕事にならないという苦情がでてきます。さらに技術担当の森田常務までが善処してくれと申し入れがあり,今西課長は「まいったな」を連発することになります。

六平太はビルサービスの担当者と一緒に設計部署のレイアウトを一部いじって,冷風が直接当たらないようにします。北野常務の部屋には南国の海岸の写真と風鈴を飾ります。エアコンの吹き出し口の風鈴はチリーンと鳴り,冷風が出ていることを知らせます。

北野常務は六平太に「キミだなあんなセコいまねをしたのは」と確認し,「気に入った」と言いながらセンスで六平太の頭をパチッとたたきます。「要は気分だと,キミはそう言いたいんだろ?」ということだ問題は解決します。

● 取引先企業の東南精機の創立記念日の式典に社長が自ら出席するように総務課が進言し,それが小原秘書室長の耳に入り,自分を通さないで社長に直に進言したことで総務課に苦情を言いに来ます。

その後に病気療養中の平山元労働組合委員長が死去したとの報告が伝えられます。平山氏と田川社長は犬猿の仲であり,社長は自分以外のものを葬儀に出席させることを小原秘書室長に申し渡します。しかし,労働組合の元委員長の葬儀に社長が出席しないことは組合問題となります。

小原室長と今西課長は頭を抱えます。六平太は吉沢秘書に電話をして社長の居場所を聞き出し,業界紙の取材があることをほのめかし,プレッシャーを与えます。社長は文句を言いながらも葬儀で弔辞を読み上げ一件落着となります。

● お中元として総務課から羽駒商事の専務夫人に犬用のペット用品を贈ったところ送り返されてきました。この方は猫好き,犬嫌いという情報がどこかで混線したようです。専務夫人宅にあやまりに行った六平太は彼女が(ネコノミのため)腕をかゆそうにしているのに気が付きます。お中元のお詫びに室内清掃と害虫駆除のサービスを手配し,専務夫人から大変喜ばれます。

基本的に1話完結の形式となっており,単行本1冊には10-11話が収録されています。そのほとんど一つ一つに六平太による問題解決の話を入れていくのですから話を作る原作者は大変でしょう。

そのため,六平太の問題解決能力を中心に展開するスタイルから会社全体の活動の中から時節に合わせた話題をテーマにして,そこに総務課があるいは六平太個人が絡むという展開となっていきます。第7巻の話から引用してみますと次のようになります。

● 人事部に配属された新人の美鈴は男性社員に媚を売り人気はありますが,肝心な仕事はおろそかにして周辺の女子社員にツケが回ってきます。このような状況をみて京子と真弓は仕事のやる気が減退し,つまらないミスを犯します。

二人のちょっとした危機を察知した六平太は以前総務にいて,しっかり者でよく働き,寿退社した朝子を近くまできたついでということで総務課を訪問してもらいます。朝子は京子と真弓に「OLをしていたときは辞めたいこともあるわ。でも,人生は会社を辞めてからも結婚してからも続くでしょう,家事だって育児だっていいかげんにはできないわ…結局,積み重ねだと思うの…小さなこともできない人に大きなことは出来ないでしょう…もっと二人とも自信をお持ちなさいよ」と話します。これで二人の気持ちは晴れたようです。上司から仕事のことで叱責された美鈴を二人は「ドンマイ」と慰めます。

● 次期総裁最有力候補とされる大河内伝三が秘書である姪の春日(美人顔です)とともに大日自動車を訪問します。田川社長と大河内は幼なじみという設定です。大河内はつねづね「今の若い者にはろくなのがおらん」と話しています。

六平太を交えて4人で食事をすることになり,そこに春日の見合い相手であり,ゲスな男として大河内に殴られた男が仕返しに水をかけようとします。六平太がその前に出て水を浴びます。人見知りのする春日は六平太に「大丈夫ですか」とハンカチを差し出します。大河内はピンときたようです。

帰りがけに一行は木に登って降りられなくなっている子どもを見つけ,六平太はゆっくりと子どもに話しかけ,降りる方法を教え,子どもは自力で降りることができました。これを見て大河内は再び田川社長を訪ね,「あの男をわしにくれ,場合によってはわしの後継者にしてもよい,どうだ,田川…彼とこの春日と似合いのカップルだと思わないか」と提案します。

春日は頬を染めて(モノクロですから色は分かりません)います。田川社長に呼ばれた六平太は言下に「お断りします…私は大日が好きなんです…私は政治家になるより総務の方が合ってますから」と答えます。この日はバレンタインデーでしたので六平太は吉沢秘書と春日からチョコレートを受け取ることになります。

このあたりは話のスタイルがだいぶ変わってきていることが分かります。テーマが彼を含めて社員の悩みや問題となっており,それを六平太自身が解決するのではなく,周囲の人を動かすことにより解決していきます。これ以降はだいたいこのスタイルの話が続いていきます。


あんたの代理人

正式なタイトルは「ムチャな弁護士 あんたの代理人」となっています。主人公の「真野論平」は失恋の腹いせに勉強に精を出し,その勢いで司法試験に合格しています。司法研修も無事に終わり,新米弁護士として渡瀬法律事務所で「イソ弁」をしています。

論平のもう一つの顔は「劇団天津甘栗」で役者を目指しています。本人は役者が本業で弁護士は副業,あるいは自分は法律嫌いの弁護士であるなどと危ないことを口走っています。依頼人には親身になって問題を解決しようと,ときどきやり過ぎることもあります。有能な弁護士ではなく,できは悪いものの行動が先に立つ弁護士の笑える話が詰まっています。

後半部は論平と同期の榊原優子とのやりとりを中心に話が進んでいきます。論平のボスである渡瀬,新進弁護士の榊原は有能な弁護士の代表であり,彼らも大した事件でもないのに依頼人に親身に接する論平の姿勢に次第に感化されていきます。

プロゴルファー織部金次郎

原作は「武田鉄矢」となっています。主人公の「織部金次郎(通称・織金)」はプロゴルファーになって17年になりますが,人を押しのけて上を目指すというプロの資質に欠けており,現在に至るまでテレビに写ったことなどないというマイナー・プロです。

当然,トーナメントでは生活できませんので地方のゴルフ場でレッスンプロをしています。妻と二人の娘がおり,別居中ということになっています。第1巻では家庭の破局があり,妻のもってきた離婚届に織金に代わり桜子がハンを押してしまいます。

周囲の人々から同情を買う立場ですが,しだいに織金の人柄にほだされ,いつしか応援団が出来上がります。彼らに後押しされ,織金はトーナメントに復帰し,苦労の末に最終巻ではようやくトーナメントで1勝をあげることができます。これで吹っ切れたように織金は好成績を残すことができるようになります。