亜細亜の街角
シーパンドンの中心地
Home 亜細亜の街角 | Muang Khong / Laos / Apr 2001

シーパンドン  (参照地図を開く)

カンボジア国境に近づくと,メコン川の川幅は15kmにも広がる。大きな滝があり,多くの島が点在することから,この一帯はシー・パン・ドン(4000の島々)と呼ばれている。かってフランスは雲南への通商路を開拓しようとしたが,この地域の滝と浅瀬に阻まれ,計画を断念した。


パクセ→ハッサイクン→ムアンコーン移動

パクセ(07:30)→ハッサイクン(11:30)→ムアンコーン(12:00)とバスとボートを乗り継いで移動する。南に向かうバスは現代製でまだ新しい。昨日の経験を生かして中ほどの座席を確保する。昨日夕食をご馳走になったカンボジア人の一家が座っているのであいさつをする。

道路は完全に舗装されており快適である。ラオス正月はまだ終わっていないようで,窓ガラスのないところからは3回ほど水が入ってくる。これは量が少ないのでまだ冗談で済むがまともにかけられたらもう犯罪行為である。

道路の周囲は水田が半分,森林が半分である。水田は完全に干上がっており草も生えておらず,この地域の乾期の厳しさを見せつけている。ところどころに溜め池があり,水牛が首だけを出して水浴びをしている。

道路の周囲で目立つのは散乱しているプラスチックゴミである。ゴミの大部分は食品を入れるのに使用されるビニール袋である。消費経済の浸透によりこれからもどんどん増えていくことであろう。バスの乗客もビニール袋やプラスチックボトルの水を飲んだ後は平気で窓の外に捨ててしまう。


ドンコーン・ゲストハウス

ハッサイクンに到着し下車する。バスはここからさらに南のカンボジア国境を目指し,僕は渡し舟で対岸のムアンコーンに渡る。ゲストハウスは船着場のすぐ近くに何軒かある。ドンコーンの部屋はなかなかきれいであり,料金も最初40,000Kと言っていたが難色を示すと30,000Kに下がったので決定。部屋は9畳,トイレ・シャワー付き,きれいなシーツのセミダブルベッド,机といすがある。床はきれいなタイル張りで,シャワー室も清潔である。

子どもたちはよく働く

ラオ・ラオはかんべんして

川から離れ東側の道路沿いの小さな食堂で昼食にインスタントラーメンをいただく。ここには何人かの男たちが酒でラオス正月を祝っている。自分も勧められグラスに口をつけるとあのラオ・ラーオが舌をマヒさせる。

1軒の民家に人がたくさん集まっている。これもラオス正月の行事らしい。この国の人は男女を問わず酒が強い。ここでもおばちゃんから酒を勧められ閉口する。幸い子供たちがいたのでヨーヨーを作ってあげる口実でこの難を逃れた。

パーシーの儀式を見学し,昼食をごちそうになる

1軒の高床式の家に人がぞろぞろ入っていくのを目撃したので近づいてみる。すると上から入って来いと促され,靴を脱いで急な階段を上がって中に入る。

上の広さは12畳ほどで,一部は仕切られており,ここが寝室のようだ。大人が約30人おりラオ・ラーオの入った小さなグラスを回している。自分僕にも回ってきたが口を付けるだけで勘弁してもらった。

パーシーの儀式が始まった。これは左手の手首に白いひもを巻いて軽く縛るものである。このとき縛る人は相手の幸せを口に出して祈る。このひもが自然に手首から外れたら祈りの内容が叶うという。

すでに僕の手首にはタイのシャン族の結婚式,およびサワンナケートのお寺で僧侶に付けてもらったものがある。今日は4人の人が巻いてくれたので合わせて6本のひもが手首を飾っている。

11時頃ごはんが出てきた。メニューはカーニャオ,ビーフンの焼きそば,肉とプリックの炒め物,牛骨スープと多彩で,かつどれもおいしい。ありがたくいただく。

食事の間に男性が木の枝を持って現われた。何をするのかなと見ていると,日本の七夕の短冊と同じように木の枝にお札を張りつけている。お札だけでは寂しいと思ったのかフーセンも何個か取り付けている。僕も1000K札を寄付した。

滝めぐりのボート・ツアーに参加する

ムアンコーンからコン島とコーン・パベーンの滝を巡る個人ツアーが出ている。内容と料金を確認して参加することにする。案内のポロ氏(本当の名前は知らない)は自分のバイクを持ってきており,これを舟に積みこみ固定する。

この辺りのメコン川は巾が10数キロに広がっており,多くの島や中州が点在しているため「シーパンドン(4000の島)」と呼ばれている。島の人々は主として漁業で生計を立てている。

こうやって舟で移動していると,投網や定置刺し網で漁をする人々,洗濯や水浴びをする人々など川に寄り添って生きている人々の生活の一端が恒間見られる。またこのあたりは人や荷物を乗せた舟の往来も多く,川の風景と合わせ飽きることがない。

メコン川はいろいろな表情を見せる

舟が移動するにつれてメコン川はいろいろな表情を見せる。水の流れが感じられないおだやかなところ,隠れた岩礁地帯,岩場の間が浅瀬になっている難所などが次々と現われる。船頭は決して舟をまっすぐに進めず,慎重にコースを選んで進めていく。

コン島に到着する

およそ1時間半でコン島に到着する。ここは小さな島で電気も来ていない。しかしその素朴さが受けてちゃんとした観光地になっており,船着場の周囲にはいくつかのゲストハウスやレストランがある。

ソンパミットの滝

船着場からソンパミットの滝までは歩いて20分である。ソンパミットの滝は落差10m,流れ下るという表現がぴったりで,日本でいうなめ滝に近い。滝の上流は岩場になっており,ここで流れは本流といくつかの枝葉に分かれている。乾期のせいか水量が少なくちょっと物足りないが周囲の景色と合わせ一級品の観光資源といえる。

コーン・パベーンの滝

コン島からバン・ナカサンの船着場に向かい,そこからバイクでコーン・パベーンの滝を目指す。バン・ナカサンはこのあたりの中心地でちょっと大きな市場もある。国道は観光道路のためか4車線が完全に舗装されている。滝の周囲には20軒ほどの食堂が並び,大きな駐車場も用意されている。

天然のプール

コーン・パベーンの滝は水量も豊かで大迫力である。川の流れは上流部の岩場でたくさんの支流に分かれ,15mほどの落差を十数本の滝となって流れ下っている。その下は激流となっており,メコンはまったく違った表情をみせてくれる。上流部では流れ込んだ水が小さな段差にたまり,天然のプールになっている。地元の人たちは服のままここで水遊びを楽しんでいる。

小学校を訪問する

メコンの夕暮れ

夕暮れのメコンは静かにその光を失っていく。日中の暑さも消え,ちょっと観光化が進んでいるこの島でも,おだやかな気持ちで時を過ごすことができる。寝る前に屋上に上がって星を見に行く。回りの光がうまく遮られるのですばらしい星空が見える。ちょうど宿の主人がゴザを持ってきたので一緒に寝ころんでしばらく星空を楽しむ。


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