亜細亜の街角
2007年旅行 出発前顛末紀
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航空券の選定とルート変更

2007年の旅行は5月中旬にウズベキスタンから入ってイスタンブールから帰国する計画を立てていた。2007年2月の時点では成田→タシケント(ストップオーバー)→イスタンブール→成田という6ヶ月有効の航空券(\10,5000)がウズベキスタン航空から出されていた。この航空券を購入することを前提に旅行計画を立て,航空券が発売される4月初めに時期に再度yahooの航空券情報をチェックすると,この航空券は2ヶ月オープンのものに変わっていた。

これでは使いものにならないので急きょ6ヶ月から12ヶ月のチケットを検索してみると,ガルフ・エアにテヘランイン,アンマンアウトのオープンジョー・チケットがある。1年オープンで基本価格が11,5000円,それに燃料チャージ,空港利用料などがついてちょうど14万円となる。旅行会社にフライト内容を聞いてみると,往復とも香港,バーレーンで乗り換えとなり,1泊2日の行程になる。まあ,これでいいだろう,決定!

当初計画はウズベキスタン→キルギス→ウズベキスタン→トルコ→イラン→南カフカス3国→トルコ→シリア・ヨルダン・レバノン→トルコであったが,前半部分をイラン→パキスタン→中国→キルギス→ウズベキスタンという変則ルートにすることにした。




パスポートの更新と3カ国のビザ取得

そうなると日本でイラン,パキスタン,できればウズベキスタンのビザ取得が必要になる。都合の悪いことに僕のパスポートの有効期間は2008年4月までとなっており,このパスポートでは10月になると「パスポートの残存期間が6ヶ月以上あること」という規定に引っかかってしまう。パスポートの更新は有効期間の1年前からということになっているので更新は4月中旬まで待たなければならない。

しかし,それでは5月中旬までに3カ国のビザを取るにはちょっと心細い日程になる。5月の連休期間中は大使館もお休みになるからだ。川越のパスポート・センターに電話したところ,「現在はパスポートのICチップ切り替えを進めているので,それを理由にすれば1年前以前でも更新は可能です」といううれしい回答をいただき,まずパスポートを更新することにする。埼玉県ではさいたま市以外にも川越や所沢(金曜のみ受付)でもパスポートの取得・更新が可能だ。所沢在住の僕としては大変ありがたい。

4月5日に北海道の実家から戻り,翌6日(金曜日)に更新を申請する。受領は1週間後の13日である。これで基本日程ができたので,とりあえず5月15日出発で航空券を予約する。ビザの取得がいつまでに終了するのか不透明だったので,出発日の最終決定は4月25日までにするという条件を付けさせてもらった。それからはビザ取得に向けて行動を開始する。

10日:旅行会社にメールでフライトの日程を確認する
11日:旅行会社に「予約確認書」の郵送を依頼する
13日:パスポート受領
14日:3カ国の大使館のHPから申請書をダウンロードして印刷する,大使館の場所を地図で確認する
15日:申請書の記入,写真準備,日程表作成,予約確認書コピー作成,パスポートのコピー作成

こうして準備を完了させ,4月16日には南麻布3丁目のイラン大使館に出向く。最寄り駅は日比谷線の広尾駅である。大使館の正面から入るとビザの申請は裏手の入口だと教えられる。中に入ると女性が受付の男性に何やら訴えている。イラン大使館のHPにあった「個人の場合はあらかじめイラン外務省と連絡を取ってください」という一文を思い出した。その女性は僕と同様に外務省とのコンタクトも無ければホテルの予約確認書も無かった。結局,その女性は窓口で申請を断られてしまった。

僕が窓口に申請書を出すと,同じようなことを聞かれた。「個人旅行なのでイラン外務省とコンタクトできるはずがないでしょう」とはさすがに言わなかったが,「イランに来られる人はみんなツアーを利用されますよ,テヘランの空港で1週間のトランジット・ビザをもらえますよ」と冷たい返事だけである。「次の訪問国はありますか」,「ええ,パキスタンです」,「パキスタンのビザはありますか」,「イランの次に取りに行く予定です」,「それでしたら先にパキスタン・ビザを取ってください,そうすればイランビザも取れますよ」ということになり,まずパキスタンのビザを取得することにする。

幸いパキスタン大使館の仮事務所は歩いて5分の南麻布2丁目にある。パキスタン大使館に入ると2005年に申請したときの受付の日本人女性がいる。残念ながらすでに書き上げていたパキスタン・ビザの申請書は自宅に置いてきたので,彼女から申請書と白紙をもらい,必要事項を記入する。白紙にはパキスタンの入国から出国までのスケジュールと宿泊先を記入する。旅行人の「アジア横断」のガイドブックをもっていたのでパキスタンの日程はおおよそ記入することができる。予備の写真も持っていたので申請書類を完成させ,イラン大使館で使用する予定であった航空券の予約確認書と一緒に受付の彼女に提出する。

受け取りはその日の16:30である。同じ日にパキスタンビザを取りにきた僕と同年代の男性2人の申請書作成を手伝ってから広尾に戻り昼食をとる。あいにくこの日は小雨かつ気温が低く周辺を散歩する気分ではない。有栖川宮記念公園をちょっと歩き,パキスタン大使館で本を読んで過ごす。定刻にパスポートを受け取る。新しいパスポートの2ページ目にパキスタンビザのシールが貼られている。

翌17日(火)に再びイラン大使館に出向き,ビザ手数料7700円の証紙を自動販売機で購入し一緒に提出すると今度はすんなり申請を受け付けてくれた。受け取りは20日(金)11:00と書かれた手書きの領収書を受け取る。これでヤマを一つ越えたことになる。次の目標のウズベキスタン大使館は下目黒5丁目にあり,11:00にイランビザを受領し,その足で申請に行けるかどうかをチェックする必要がある。

ウズベキスタン大使館のビザ申請時間は10:30−12:30となっており,明治通りから南の目黒通りに出ると都バスが運行されているの間に合いそうだ。20日の10:20頃イラン大使館に到着し坐って待っていると10:30に名前を呼ばれ,パスポートを渡された。11時を待たなくても窓口が空いたら適時受領できるようだ。パスポートをチェックすると立派なイランビザのシールが貼ってある。パスポート番号と有効期間と1ヶ月の滞在期間以外はペルシャ語で記載されている。きっと1ヶ月の滞在が許されるのであろう。

すぐにイラン大使館を後にして目黒通りの「清正公」停留所で「東98」の都バスに乗車して目黒駅を経由して「元競馬場」で下車する。まだ11:20なので十分に時間はある。そこから歩いて10分のウズベキスタン大使館は住宅街の中にあり,普通の民家とそれほど変わらない。事前に地図で場所を確認しておかないとたどり着くのは難しい。また,ウズベキスタンのビザは入国日と出国日が記載され,その間の1ヶ月の滞在が認められるようになっているので,あらかじめ日程を決めておかなければならない。僕はイラン→パキスタン→中国→キルギス→ウズベキスタンと移動し,その間は80日ほどあるので,しっかりした計画を立てて7月22日−8月21日という期間で申請した。

領事館の門は施錠されておりインターフォンで用件を伝えると開錠される。入口のドアも施錠されておりしばらく待つことになる。やがて大使館のスタッフであろうか男性が現れ,申請書類をいちべつして受け取る。「来週の木曜日(26日)の3時に取りに来てください」と言われるだけで儀式は終了した。パスポートの預り証のようなものは発行されない。ともあれこれでビザ申請は終了した。連休前にビザが揃うことが確実になったので,出発を3-4日早くするメールを旅行会社に出す。


第一の事件が発生する

すると,週明けの4月24日に旅行会社から,「ガルフ・エアの香港−バーレーン間のフライトは7月から運休となりそうで,7月以降の予約が受け付けられない状態になっている。とりあえず,6月末帰国の1年間オープンチケットを発券して,帰国便を変更できるかどうか確認中です」という電話がかかってきた。

これは困った。日程あるいはルート変更をすると,苦労して取得したビザが無駄になってしまう。結局,連休前に決着をつけたいので,すでに予約済みの5月15日の航空機をそのまま利用し,片道で行くことにする。料金は75,000円と往復より少し割高になる。帰国便はアンマンからではなく,航空券の安いイスタンブールからになりそうだ。インターネットで現地旅行会社のHPをチェックするとイスタンブール→東京の基本料金は506$になっていた。燃料費チャージ等を加算しても650$くらいで収まるであろう。


デジタル・カメラの予備機

4月26日に領事館に出向きウズベキスタンのビザを受領する。シールが貼られビザの内容がきれいにタイプされている。滞在期間は申請通りであることを確認し,これで出発準備の必須アイテムはそろった。もうひとつ,重要なアイテムはデジタルカメラの予備機の確保である。数年前まではフィルムの一眼レフを愛用していたが,ザックの中の納まりが悪いし,街を歩いていても首から下げたカメラがジャマになる。その点,現在使用しているデジタルカメラの「Powershot S60」はかさばらないし,100円ショップで買った首かけタイプのカメラケースにちょうど収まり,街を歩いて被写体を出あったときもすぐ取り出すことができる。撮影枚数もほとんど気にすることはない。

しかし,2006年の旅行では故障が発生し,何ヶ所かの訪問地の写真は残っていない。年をとると記憶容量が少なくなるのか,日記はつけていても画像が無いとなかなか自分の経験が思い出せない。今回の旅行の大半ははデジタルカメラが簡単に買えるようなところではないので予備機は必要と判断した。問題は画像ストレージとの相性である。僕の持っているす20GのHDストレージはコンパクト・フラッシュ(CF)しか使用できないので最近のSDカードのものではまずいのだ。現在手持ちのS60の後継機種はすでにSDカードになっている。

結局,ヤフーのオークションで手持ちと同型のカメラを手に入れ,それを予備機にすることにする。予算は10,000円くらいを想定していた。「Powershot S60」の出品はそう多くはない。その中で「美品」をされているものを選択してオークションに参加する。2回トライしてみたがいずれも競合相手が出てきて希望値では落札できなかった。ようやく3回目でちょっとキズありのものを9750円で落札することができた。

入札者からメールが届き,こちらから返事を出し,翌日ネットで代金を支払う。連休明けの5月8日にカメラが送られてきた。購入時の箱がそのまま使用されている。本体は多少キズはあるものの正常に動作しており,そのむね入札者にメールで報告する。一緒に512MBのメモリーが付いていたのでHDストレージと組み合わせて動作確認をしてみるとエラーになる。ストレージは古い製品なので,512MBのものには対応できないようだ。やはり,旅行に持っていく電子機器は組み合わせを含め事前のチェックは必要だ。


第二の事件が発生する

大型連休の後半の初日にあたる5月3日に旅行会社から航空券がビジネス・メール便が届いた。中を開けてみるとなんと他人の航空券が入っている。しかもその出発日は5月12日になっている。旅行会社に電話すると自動応答になっており,だれもいないようだ。とりあえず,その内容でメールを出したが,読んでもらえるのは連休明けの7日になるだろう。そのまま7日午前中着で旅行会社に送り返す。もちろん,着払いである。連休明けに旅行会社から電話がありどうやら僕の航空券はまだ旅行会社にあるとのことであった。翌日,無事に航空券は届けられた。